プロフィール
this is the NANAFUKU
名前:玉川奈々福(たまがわ・ななふく)
誕生日:三波春夫先生と同じ7月19日
性別:女性
職業:浪曲師・曲師(浪曲三味線弾きのこと)
一言:1994(平成6)年10月、日本浪曲協会主宰三味線教室に参加。1995(平成7)年7月7日玉川福太郎に入門。師の勧めにより2001(平成13)年より浪曲師としても活動。2004(平成16)年「玉川福太郎の徹底天保水滸伝」全5回、2005(平成17)年「玉川福太郎の浪曲英雄列伝」全5回プロデュース。2006(平成18)年本橋成一監督作品『ナミイと唄えば』出演。同年12月、芸名を美穂子から奈々福に改め名披露目。さまざまな浪曲イベントをプロデュースする他、自作の新作浪曲も手掛け、他ジャンルの芸能・音楽との交流も多岐にわたって行う。かに座のO型。賞罰、なし。
MIDO9459.JPGAAJJ0027.JPGAAJJ9949.JPG撮影森幸一c_0056.JPG撮影森幸一(舞台写真)・御堂義乘(ブロマイド)

NEWS!奈々福のCD発売中! 
「ほとばしる浪花節! 玉川奈々福の寛永三馬術 曲垣と度々平/大井川乗り切り」
(発売元:有限会社武春堂 販売元:バウンディ)XQBT-1155 定価2500円。
取り扱い店:山野楽器(銀座) ミュージックテイト(新宿) ヨーロー堂(浅草) イサミ堂(浅草)
アマゾンほかのネットショップでも購入可能。
奈々福後援会でも取り扱います(別途送料200円がかかります)。ご注文はtamamiho55@yahoo.co.jp へお願いします。
CDジャケット.jpgこおゆう感じです。

「和装人インタビュー第50 玉川奈々福」by辻屋本店

玉川奈々福への仕事のご依頼は、ななふく本舗へ 090-7001-6867 tamamiho55@yahoo.co.jp
◎ おもいっきり笑える浪曲が聴きたい!
◎ 甚五郎さんや、忠臣蔵や、次郎長や、昔ながらの浪曲が聴きたい!
◎ 子供に、読み聞かせをしてほしい。三味線の音色も聴かせてほしい。
◎ 浪曲漫才もありえるんですか?
◎ 結婚式や、〇回忌で、一代記をやってほしい。
……などなど、お気軽にご相談ください。

奈々福自主公演の予約お問合せも、ななふく本舗へ(090-7001-6867 
ななふくonついった
http://twitter.com/nanafuku55
奈々福on facebook
http://www.facebook.com/nanafuku.tamagawa

2016年02月12日

雑誌「グラフィケーション」の「語り」特集でロングインタビュー。

冨士ゼロックス発行の雑誌「グラフィケーション」は、今号より、電子雑誌になりました。
電子雑誌最新号の特集は「『語り』について考える」。
奈々福、ロングインタビューを受けました。
なかなかこんなに長くお話させていただく機会はなく、語り芸について考えていることで、いままで媒体などでは申し上げていなかったことを、おしゃべりさせていただきました。
そしたら、同じ号に、渡辺保先生も寄稿されており、それと、私が言っていることが、なんか重なり合う!
あと、安田先生がふだんからおっしゃっていたことにも重なりあいます。
非常に光栄であり、また、考えていたことに確信を深めました。
ぜひ読んでくださいませ。

タブレットの場合は、 http://www.fujixerox.co.jp/company/public/graphication/current_number.html に、

パソコン、スマホの場合は https://graphication2.s3.amazonaws.com/html/002/index.html#/spreads/1 で
ダウンロードして下さい。
posted by ななふく at 18:03| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月11日

今年の奈々福の自主公演について。

昨年に引き続き、今年も木馬亭を中心に、自主企画を連続で行いたくおもっております。

4月9日「浪曲スゴ女流!」@木馬亭14:00〜

浪曲を「声の総合格闘技!」と言い放ったのは、五月一秀さんですが、キャッチーな比喩だと思いました。
その総合格闘技界の中で、現状で、女流で、とにかく、この師匠の声を聞いてくださいよ、文句なしに、すんごいですから、
という方をフィーチャーしての企画です。
東京代表、澤孝子師匠。たぶん、東京の浪曲界で一番「大声」な師匠でいらっしゃいます。
十八番の甚五郎「竹の水仙」……これは、もう、必聴です。絶品です。師匠に畏れ多くも、リクエストさせていただきました。
関西代表、三原佐知子師匠。はじめて佐知子師匠を拝聴したときの衝撃は忘れられない。
声の大きさ、節のすばらしさとともに、関東にはない、関西の独特のにおい、表現。
舞台姿の美しさともども、ぜひ、味わっていただきたいのです。
虹友美さんの三味線で、「じょんがら流転」友美さんのじょんがら三味線も聴けることと思います。
そして中京代表、天中軒雲月師匠。雲月師匠のお声も、聞くたび頭を垂れてしまいます。
一発の声でもっていかれてしまいます。しかも今回、雲月師匠ったら、「奈々ちゃんの三味線でやりたい」。
……衝撃の一言。うひゃあ、と思いつつ、勉強させていただくことにしました。
雲月師匠の声節がぞんぶんに引き立つ三味線を弾けるように頑張ります。

前読みには、もう、聞くたび伸びてる、最年少浪曲師国本はる乃ちゃん。9月に名披露目予定。
そして、奈々福が、豊子師匠の三味線で一席つとめるという企画です。
2016-02-11 浪曲スゴ女流 001.jpg
こんなチラシつくっちゃって、師匠方に怒られないかびくびくしましたが、さすが、師匠方は「おもしろいじゃないの!」と言ってくださいました。喜べ、アンディ・ウォーホル!

そして、6月から2か月ごと全4回のこの企画。
「ぜんぶ、新作。玉川奈々福の、ほとばしる純情浪曲!」全4回@木馬亭

浪曲は古臭い芸だと、聞いてもいないのに思われているのは相変わらずで、新作があるというと「え!?」なんて驚かれたりしまして。
別に新作を作りたくて作っているわけではなくて、「これを浪曲にしたい!」という気持ちが勃然と起こったときに、新作を作るのですが、なんのかんの、20席くらい手掛けているんじゃないかと思います。
そのうち舞台に常時かけているのは限定されてますけど。
新作には、自分があこがれる「価値観」を、込めてます。こういう人、いいな、とか、こう生きられたら、いいな、とか。
そんな、思いを込めて作った新作ばかりの会をやります。
すべて、無謀な純情をほとばしらせて、恋する相手に一途に向かう女の話です。

第一回は6月24日。「彼と小猿七之助」は、川口松太郎先生の「人情馬鹿物語」の中の最後の一編。
もう、この「意志ある恋」に惚れました。

第二回は、8月25日。「金魚夢幻」は、私の完全なオリジナル。とはいえ、今までの浪曲の数々の財産(特に武春師匠の「英国密航」)へのオマージュでもあり、華やかな節をたくさん入れています。

第三回は、10月27日。「椿太夫の恋」は、「椿姫」を吉原を舞台に翻案してつくりましたが、絶世の花魁が、一人の男に惚れこんで、吉原全体を敵にまわすという大した度胸の話です。捨て身で人を愛する話です。

そして、最終回の12月24日(なんとクリスマスイブ)は、また長編浪曲一挙口演をします。「銭形平次捕物控 雪の精」……とタイトルを口にしただけで、私は胸に迫るものがある。国友先生が、豊子師匠と二人でつくられ、磨き上げた作品。
私が思う、最高の浪曲です。悲しい話ですが、そこに人のおろかさとまごころが流れている。

開口一番には、浪曲界の気鋭に、これまた新作を演じてもらう予定です。
6月が玉川太福、8月が木村勝千代、10月が東家孝太郎。
そして、すばらしいゲストをお迎えします。今年は音楽系のゲスト!

6月が上々颱風のボーカル、白崎映美さん。
映美さんとは、20年来かなあ。うちの師匠とは同郷。お酒、強い(笑)。
うちの師匠宅で飲んで、映美さんは帰れなくなっちゃった(奈々福は帰った!)ことも、いまとなっては懐かしい。
いま、東北をまわってすばらしい活動をしておられます。

8月は、スタンダップコミックのナオユキさん。
先日天満天神繁昌亭でもご一緒させていただきましたが、もう、ナオユキ先輩の、一度聞いたら癖になる、流れる音楽のような語り。そばにいるだけで嬉しくなるような雰囲気。

10月は、ソウル・フラワー・ユニオンのボーカル、中川敬さん。
私が最初に中川さんを知ったのは、阪神淡路大震災直後、被災地に入って野天コンサートをされたことでした。被災地で、高齢の方々にも懐かしく喜んでもらえるような歌を数々歌って励ましたとのこと。
それは「ソウル・フラワー・モノノケ・サミット」というユニット名でされていた活動でしたが、その後の活動にもずっと注目していました。木馬亭に来ていただける、大変嬉しい。

大好きなゲストをお迎えできることも、大きな、喜び。
いずれも平日夜で、19時から浅草木馬亭にて。
今年も攻めます。攻める奈々福を、どうか支えて下さいませ。
sokuho.jpg
posted by ななふく at 19:25| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月04日

2月と3月の予定。

2月の予定はこちらに。

3月の現状予定です。
1日(火)浪曲定席木馬亭@浅草・木馬亭12:15〜
出演:富士実子、港家小ゆき、玉川ぶん福、浜乃一舟、玉川奈々福、神田山吹(講談)、天津ひずる、天中軒雲月(出演順)
定席木馬亭は私たちのお城です。浅草で一番古い寄席。浅草小町の根岸のおかみさんが、木戸に坐って居られるこの小屋を、ぜひ体験していただきたいのです。お待ちしております。
全席自由2000円

5日(土)海神別荘@カメリアホール15:00〜
泉鏡花の幻想戯曲のうち最高傑作といわれた「海神別荘」を、能、狂言、浪曲、人形、ダンサー、チェロ、朗読……等、日本の伝統芸能者たちによるコラボレーションで上演します。
出演:安田登(能楽師 下掛宝生流ワキ方)、奥津健太郎(能楽師、野村流狂言方)、槻宅聡(能楽師 森田流笛方)、飯田美千香(百鬼ゆめひな 人形師)、玉川奈々福(浪曲師)、蜜月稀葵(ダンサー)、東雅夫(文芸評論家)ほか。
全席指定5000円 当日5500円 予約問合せ カメリアホール03-5626-2121
チラシ案表2 (2).jpgチラシ裏最終.jpg

6日(日)浪曲定席木馬亭@浅草・木馬亭12:15〜
出演:国本はる乃、澤勇人、玉川こう福、三門柳、天中軒涼月、田辺南北(講談)、玉川奈々福、富士路子(出演順)
全席自由2000円

6日(日)港家小ゆき名披露目興行@木馬亭18:00〜
出演:港家小そめ 玉川奈々福 富士路子 港家小柳 港家小ゆき(出演順)
全席自由 予約3000円 当日3500円
予約問合せ:090-5532-8692(鈴木)
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小ゆきさんが一本立ちします。早いなあ。伸びる時期です。見届けてやってください。

8日(火)毎週通うは浪曲火曜亭!@日本浪曲協会広間19:00〜
出演:玉川奈々福、富士綾那(曲師:沢村豊子)
木戸銭:1500円(茶菓付)

9日(水)「そうだ浪曲に行こう!」@大田文化の森ホール19:00〜
出演:玉川奈々福(曲師:沢村豊子)2席務めます。
ゲスト(浪曲師) : 山田二郎(2代目広沢虎造次男)
入場料:全席自由 1000円
会場:大田文化の森ホール (定員259名)
 JR京浜東北線 大森駅より 東急バスで約5分   固定座席で大変見易い会場です
お問合せ 大田文化の森協議会事務局
      03‐3772‐0770

12日(土)玉川奈々福独演会 Vol.14 in大倉山記念館@横浜市 大倉山記念館14:00〜
出演:玉川奈々福(曲師:沢村豊子)2席
ゲスト:柳家松太郎(切り絵)
全席自由 前売券2500円 当日券3000円
予約問合せ:芸人三昧 enbu@kf.netyou.jp

13日(日)渋谷らくご@ユーロスペース17:00〜
出演:立川志ら乃 玉川奈々福(曲師:沢村豊子)林家彦いち 入船亭扇里
http://eurolive.jp/shiburaku/preview-review-201603/

19日(土)浪曲と古河の地酒を楽しむ会@古河市 料亭和田家18:00〜

20日(日)新・名取寄席「唸って語れば絵が見える」@名取市文化会館ホール14:00〜
花形浪曲師、名取に参上!〜浪曲×人形が創る新世界〜
異ジャンルのアーティスト同士がつくり出す新しいコラボレーション
名取ならではのオリジナルシリーズ、新感覚エンターテイメントをお楽しみください
出演:玉川奈々福(曲師:沢村豊子) 百鬼ゆめひな(人形師)
それぞれの一席+コラボ作品「椿太夫の恋」
全席自由 一般3,500円 学生1,500円(高校生以下)
お問い合わせ 名取市文化会館 022-384-8900
名取寄席160320.jpg

21日(月・祝)登米市の仮設住宅にて浪曲会

24日(木)奈々福・豊子たっぷり浪曲とおしゃべりの会@道楽亭19:00〜
豊子師匠の三味線で奈々福二席。そして本会の目玉は、間に入るおふたりのおしゃべりタイム。豊子超特急は今年も絶好調!奈々福船長でも止められません(笑)。
出演:玉川奈々福 沢村豊子 2席+トーク
2,500円 道楽亭 03-6457-8366 終演後打上げあり(会費3,000円/希望者のみ)
予約問合せ:道楽亭03―6457―8366

27日(日)新之助上布の会@新御徒町ギャラリーしあん
詳細未定
posted by ななふく at 22:41| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月30日

悲願千人斬の女、の心意気。

今日は、すみだトリフォニーホールで「のう、じょぎ、ろう!」の公演でした。
日本の音楽つき語り芸(叙事曲)の代表、謡と、義太夫節と、浪花節を聞いていただく公演。
おかげさまで大盛況で終えることができました。

今日は「悲願千人斬の女」を抜き読みしました。
あらためて。
この浪曲、大好きだ。自作の新作だけど。

小沢信男先生の評伝が原作。
それに惚れ抜いて、どうしても声に出して演じたくて、奈々福が四苦八苦しつつ、四席の浪花節にまとめたものです。
2006年につくりました。初めて一挙口演をしたのは、翌2007年の4月。
来月、久々に一挙口演をします。
2時間、一人、いや、豊子師匠と二人。毎度、体力勝負。
大河ドラマを、一人で語り切るようなものです。お客様をどう飽きさせず二時間ぎゅんぎゅん引っ張るか。

幕末から明治にかけて、「千人斬の男遍歴」をやってのけたという、実在の歌人のお話。
千人斬伝説の女性は二人いて、一人は下谷同朋町の、「紋ちらしのお玉」。
この人は、ご縁のあった男性の家紋をかたっぱしから玉の肌にほり込んで、背中から尻から股から、紋だらけになって、ついに千人の悲願達成。
湯からあがったところなど、肌が桃色に輝いて、まるで後光が射すよう、隣近所のおばちゃんたちがそれを見て卒倒したそうな。
そして、もう一人が、私の演じる浪曲の主人公、松の門三艸子。
下谷数寄屋町名主の娘と生まれ、歌人を目指したものの、実家没落後自前で深川芸者に打って出た人。
明治十二年、数え48歳のときに、千人斬の大願成就を祝って、ご存命のご関係各位に赤飯配った人。
すげー。

幕末明治の動乱期。江戸に生きた人々は、ご一新後は、いわば「負け組」です。
一度負けた人生を、彼らはどう生きたのか。
一人の女性の心意気と、彼女に惚れ抜いた一人の男の、人生を描きます。

男が、去り際に言う一言。
「あんまりなことなんて、この世にゃ、掃いて捨てるほどあるじゃねえか」
今日、このセリフを言いながら、腹の底からこみあげてしまい、感情を抑えるのに苦労しました。
そう、世の中は、あんまりなことだらけだ。
だから、この瞬間を、生き切るしかないのだ。

男は、こうも歌いあげます。
〽もしも運命があるならば、生まれ変わった次の世も、
きっと私はおまえに出会い、おまえに惚れてしまうのだろう

……さだめは、あるのだろう。私自身、さだめに導かれている気はします。
物語を通して、描きたい心意気があります。
楽しんでいただけるよう、力を尽くします! 
残席僅少。どうかお早目にご予約を!

2016-01-30 悲願オモテ 001.jpg2016-01-30 悲願裏 001.jpg
13日(土)浪曲破天荒列伝番外編「悲願千人斬の女」長編浪曲一挙口演@木馬亭14:00〜
出演:玉川奈々福(曲師:沢村豊子)
全席自由3000円(当日3500円) 予約問合せ:プロジェクト福太郎tamamiho55@yahoo.co.jp


posted by ななふく at 23:33| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月17日

天保水滸伝ツアーvol.2

1月の予定がはるか下に行っちゃったんで、ここに貼っておきます。1月の予定

24日に、武春師匠の代演のお仕事で、師匠の十八番であった「英国密航」「松山鏡」を演じなければならず、実は私は年末どころでもお正月どころでもありませんでした。
覚えることは、できます。
お客様の耳に、記憶に、強く残っている武春師匠の十八番を、付け焼刃でやる、ことに対する葛藤です。
それ以前に、私の頭の中で鳴っている、そして覚えるために聞いている、武春師匠の声、節、芸に立ち向かわねばならぬことへの葛藤です。
心底悲しいときに、悲しみに浸りっぱなしになれないことも辛いです。
おかげさまで毎日武春師匠を聞いているので、すでにこの世におられないことが、まだ信じられない状況でもあります。

あ……そうか。これはひとつの恵みなのかもしれない。
芸に溺れろ、溺れろ、溺れろ。他のことを考えるな、徹底的に真似せよ身体を発動させよ隙間をつくるな!
雑念を遮断するための、喝、なのかもしれない。

本当に、もう甘えられないんですね。つらいぜよ。

「松山鏡」は、もともと弾き語りで作られたもの。冒頭の歌と、最後のバラードは武春師匠の唄声と音を生かし、間を浪曲化して演じます。
「松山鏡」のバラード。

♪ 雲が流れる おまえと二人で眺める
  落ち葉舞い散り 俺達二人を取りまく
  急に振り向き はにかむお前の
  さし出すその手が やけに冷たい
  同じ時間を 幾度も二人で 過ごした
  言葉なくても お前の鼓動が聞こえる
  街が近づく お前と二人で住む街
  夢をかかえて 俺達朝日で目覚める
  もめ事 争い ケンカ重ねて
  いくつも 峠を 二人乗り越え
  だけど初めて夜明けを迎えたみたいに
  俺もお前も 朝日で未来が輝く ♪


すばらしいです。毎日聞いていて、たまらない気持ちになっています。
武春師匠は浪曲師にとどまらない方でした。大きな世界を持っておられました。

師匠の十八番、代演だからこそ演じますが、これっきりと思います。
だいたい関東節の私が関西節を演じるなんて、おこがましいし。
だからこそ、この超珍しい機会、見届けていただきたい気がしております。
影絵のジャック・リー・ランドルさんとの共演。英語字幕も入ります。

24日(日)江戸東京博物館 浪曲公演「英国密航」――進化する伝統芸能“浪曲”と影絵のコラボ!
東京都江戸東京博物館 1階 ホール
全席自由:2,000円
全席自由(高校生以下):1,000円
(税込)

えっと、それから、昨年に引き続き、今年も天保水滸伝ツアーをいたします。
今年は、日帰り。
岩井滝不動は、繁蔵と助五郎の賭場争いとなった、因縁の現場。
そこで、浪曲会をいたします。
あと、今年は助五郎さんのお墓参り。
恒例の、東庄観光ボランティアの方々のご案内による笹川の史跡めぐりと、東庄名物のいちご狩り。
そして、最後にあさひの道の駅をめぐります。
「天保水滸伝」の、物語の現場を歩けるという、夢のような企画ですのよ。
40名様限定。
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お申し込みはチラシをご覧くださいませ。

posted by ななふく at 16:47| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月13日

十年前に書いた武春師匠讃。

十年前。とあるお仕事で、「国本武春論」を書いてくれとのご依頼をいただきました。
武春師匠の独演会のパンフレットに掲載する、と。
……これ、仰天ですよね。
後輩が、大先輩の独演会のパンフレットに、その先輩を評する文章など書けようはずもないっ!!!
当然、断る。
「でも、武春師匠のこと尊敬しているでしょ? 書いてよ」
……といわれて、おずおずと。雲の上の大先輩へ、尊敬を込めて書きました。
青山で行われたその独演会には、小沢昭一さんもお見えになっていて、ご挨拶をしたら、「ちょうどアナタの文章読んでたところよ」と、ニッコリ。
十年前。小沢さんも、うちの師匠も、まだこの世におられた。十年……遠い昔のようです。
毎日、毎日、喪失感を、武春師匠の音を聞き続けることで埋めています。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ワタシの希望の星」 text by 玉川奈々福  

 私が浪花節を続けていく中での、大きな希望が武春師匠の存在です。
 おずおずと浪花節の世界に入ってからずっと、武春師匠が次になにをされるか、背中を見つめながらおいかけてきました。
 武春師匠を初めて知ったのは、実は浪曲からではありません。
 浪花節の定席小屋、浅草木馬亭二階は、大衆演劇の殿堂「木馬館」。私はそこの常連でした。
 ある日、贔屓の劇団の若手役者が踊る背後のBGMが気になりました。
 ロックだけど、歌手の声節に尋常じゃなくパンチがあるコミックソング調の曲。
 その役者さんに「あれ、誰の曲?」と聞いたなら「えっとねー、クニキ、クニキタケハル」。
 ……漢字が苦手な役者さんから得た「クニキタケハル」というキーワードを頼りに、探して見つけたのが「ロックンロール福助」というCD。十数年前のことです。
 ほどなく私は、日本浪曲協会主催の三味線教室第一回の場に紛れ込み、その場にいらしたのが武春師匠。
 CDジャケットでは、大きなサングラスで目元を隠されていたので、素顔を拝見したのは初めて。「二枚目の目だ……」と思いました。
 翌年私は師匠・玉川福太郎に入門し、十年以上が経ちましたが、武春師匠のお話をうかがった機会は、そう多くありません。でも、お許しを得て客席から見させていただいた数々の舞台……どんなに浪花節の可能性を感じさせてもらったことか。そしてそれ以上に、数少ない機会に語ってくださった言葉……その端々から武春師匠が、長い年月お一人で、「浪曲とは何か」「何故いま、浪曲なのか」「いかに観客とそれを共有できるか」を考え抜いてこられた時間の堆積を感じ、感銘を受けたのでした。
 さるお客様が、武春師匠の高座に感動され、私に手紙をくださいました。それを、武春師匠にお伝えしたところ、こんなお返事をいただきました。
「ありがとう。でもきっとそれは、『私が』ではなく『浪曲』という芸が凄いのだと思います。それについては嬉しくもあり悔しくもあり……」。
 カッコよすぎます。武春師匠。



posted by ななふく at 19:45| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月06日

2月の予定です。

神戸から始まり、プライベートで京都へ、中旬から中国の語り芸を見に行き、帰国翌日からは大阪の繁昌亭出演します。繁昌亭夜席の「天神寄席」も楽しみ!!!
とくに来ていただきたいのは、「悲願千人斬の女」の会@木馬亭、「イナンナの冥界下り」@日本デザインセンター!!!

1日(月)神戸らくごビレッジ@神戸アートビレッジセンター(KAVC)・B1シアター
15:00の回と、19:00の回。
出演:桂小留 桂吉弥 桂九雀 玉川奈々福(曲師:沢村豊子) 桂文之助(出演順)
料金 前売 \1,800 当日 \2,300 (整理番号付)
詳細はこちら

3日(水)浪曲定席木馬亭@浅草・木馬亭12:15〜
出演:国本はる乃、澤勇人、木村勝千代、浜乃一舟、東家孝太郎、神田きらり(講談)玉川奈々福、富士路子(出演順)
全席自由2000円

4日(木)浪曲定席木馬亭@浅草・木馬亭12:15〜
出演:港家小そめ、東家一太郎、澤惠子、玉川奈々福、花渡家ちとせ、神田あおい(講談)、富士鷹雄、澤孝子(出演順)
全席自由2000円

5日(金)大黒屋浪曲会@浅草・蕎亭大黒屋19:00〜
出演 浪曲師:玉川奈々福 曲師:沢村豊子
19時開演 場所 浅草「蕎亭 大黒屋」
東京都台東区浅草4-39-2  03-3874-2986
http://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13003757/
木戸銭 7000円(公演、飲食代、税込み)
20名限定の予約制
大黒屋さんの、なべ、天ぷら、うどん、そば……江戸前の味、ぜひぜひ味わっていただきたく。

6日(土)東庄町住民福祉大会@東庄町公民会大ホール13:00〜
玉川奈々福「平手の駆け付け」玉川太福「阿武松緑之助」曲師:玉川みね子
入場無料 

7日(日)都民寄席@江戸東京博物館ホール13:30〜
玉川太福『清水次郎長伝 石松代参』(作:正岡 容)曲師:玉川みね子
大利根勝子『梅山家の縁談』 曲師:玉川みね子
解説:長井好弘(読売新聞編集委員)
玉川奈々福:『仙台の鬼夫婦』 曲師:沢村豊子
澤 孝子:『春よ来い』(作:長谷川勇)曲師:佐藤貴美江
◎申込方法 
2016年1月8日(金)(必着)までに、往復はがきに @希望日時・希望会場 A住所 B氏名(ふりがな) C電話番号 D希望人数(2人まで)を書き、返信はがき宛名面に返信先住所・氏名を記入の上、都民寄席実行委員会(〒160-0023 新宿区西新宿6-12-30芸能花伝舎2階 落語芸術協会内)へ。
※応募はがきは1枚1会場とさせていただきます。
※必要事項がひとつでも欠けますと無効になります。
※応募者多数の場合は抽選となります。
※未就学児はご入場いただけません。

9日(火)「柳家喬太郎の芸賓館」出演。BS11にて19:00〜 豊子師匠ともどものトーク+浪曲シンデレラ

13日(土)浪曲破天荒列伝番外編「悲願千人斬の女」長編浪曲一挙口演@木馬亭14:00〜
出演:玉川奈々福(曲師:沢村豊子)
全席自由3000円(当日3500円) 予約問合せ:プロジェクト福太郎tamamiho55@yahoo.co.jp
★「千人斬」なんてえとどんなどろどろかとお思いでしょうが、さわやかに斬って行きます。
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14日(日)渋谷らくご@ユーロスペース17:00〜
出演:桂三木男 隅田川馬石 玉川奈々福(曲師:沢村豊子) 橘家文左衛門
http://eurolive.jp/shiburaku/preview-review-201602/

16日(火)イナンナの冥界下り@日本デザインセンター19:00〜
能、狂言、浪曲、人形、ダンス……古典芸能的身体を用いて、世界最古の神話を上演いたします。
木戸銭:全席自由5000円 予約問合せ:てんらい事務局 event@inana.tokyo.jp 080-5520-1133(9時〜20時)
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18日〜23日まで 日中文化交流協会主催ツアーにて、中国の馬街書会と、評弾学校を見てきます。馬街書会とは、河南省平頂山市宝豊県にて、中国全土から語り芸の芸人が麦畑に集まって、青空の下、麦踏みしながら芸を披露しつづける、600年も続くというトンデモな催し。そして、中国版の講談とも浪曲ともいえる「評弾」という芸を受け継ぐ芸人を育てる評弾学校を訪問してきます。レセプションもあるらしく、とりあえずきものと三味線の小道具持っていきます。わくわく。

24日(水)天満天神繁昌亭昼席13:00〜
出演:桂紋四郎 林家竹丸、桂勢朝、京次郎、笑福亭達瓶、桂文之助 玉川奈々福(曲師:沢村さくら)桂米福、桂文華、桂春之輔

25日(木)天満天神繁昌亭昼席
出演:桂紋四郎 林家竹丸、桂勢朝、京次郎、笑福亭達瓶、桂文之助 玉川奈々福(曲師:沢村さくら)桂米福、桂文華、桂春之輔

25日(木)天神寄席
出演:笑福亭喬介 「延陽伯」 桂三ノ助 「替り目」 桂坊枝 「船弁慶」 //仲入// 鼎談「臆病な男が嫌いな女」 【名越康文 高島幸次(大阪大学招聘教授) 桂春之輔 】 玉川奈々福(浪曲) 「仙台の鬼夫婦」 露の都 「戎島」       
開演:午後6時30分
*開場時間の6時よりチケットに記載されている整理番号順にご入場いただきます
前売2,500円 当日3,000円
身障者・高大生2,000円 小中学生1,500円

26日(金)天満天神繁昌亭昼席
出演:月亭八斗 林家竹丸、桂勢朝、京次郎、笑福亭達瓶、桂文之助 玉川奈々福(曲師:沢村さくら)桂文華 桂阿か枝、桂春之輔

27日(土)沢村豊子 さくら 曲師の親子会@木馬亭13:00〜
出演:沢村豊子 沢村さくら 京山小圓嬢 東家浦太郎 玉川奈々福 五月一秀
木戸銭3000円 予約問合せ:070-6682-3551
奈々福、チケットいーーーっぱい持ってます。ご用命を!

29日(月)ガチンコ浪曲講座最終回@カメリアプラザ和室(満員御礼)
posted by ななふく at 01:48| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月03日

新年を迎えました。

季節や、節季のことなど完全に飛んでしまった年末ではありましたが、新年が来ました。
新しい年に臨む気持ちも整わぬまま、です。
今日が仕事はじめ、そして恒例の一門の新年会でした。
まずは、気持ちを整えたく、浅草神社の脇の、被官稲荷神社にお参りすることから始めました。
浅草寺も、浅草神社も大行列の大にぎわいなのですが、
この被官さまは、静かです。
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「被官」とは出世を意味するそうですが、新門辰五郎が伏見稲荷を勧請してつくった社で、そう思うと、石松金毘羅代参とも縁があり、なにより、小沢昭一さんが信心されていた。
お札を買って、それから寄席へ。
木馬亭初席、満員御礼。お客様が心を寄せてくださっている。
ありがたいことでした。

心は落ち着きどころを見出せぬまま、でも、すでに決まっていることが数々あり、既成事実に引っ張られるようにして進み始めている、気がします。

昨年、5回シリーズでやりました「浪曲破天荒列伝」、お蔭様で好評をいただいたので、調子にのってもう一回「番外編」をします。実は一番破天荒な人、幕末から明治にかけて千人斬の男遍歴をやってのけた実在の歌人の人生。小沢信男さんの原作を奈々福が四席の浪曲にまとめたもの。一挙口演は四年ぶりです。
これが2月13日@木馬亭です。
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そのあと、4月にもう一本企画公演。奈々福大尊敬する「スゴ声」の女流の師匠方にご出演いただく会を企画しました。東京の澤孝子師匠! 大阪から三原佐知子師匠! 名古屋から天中軒雲月師匠! 本当にすばらしい声節の師匠方の、まさに夢の競演(饗宴)の会です。開口一番に最年少浪曲師の国本はる乃ちゃん、そのあとに奈々福が一席、そして大先輩お三方という構成。そして奈々福は、雲月師匠の曲師も一席務めます。「スゴ女流!〜圧倒的な、あまりに圧倒的な」四月九日(土)@木馬亭 十三時開演 予約4000円

と、二つやったあとで。
今年もう一年、自分に負荷をかけ、飛躍したいと思っております。
具体的には、「新作」の連続公演をやろうと思います。「え、浪曲に新作なんて、あるの?」とよく言われます。やはり古い芸だと思われているのだなあ。数々作り、また演じてきた新作の中から選び、また豪華ゲストをお迎えして、全四回、今回も私たちのお城・木馬亭にて行おうと思います。六月、八月、十月の、平日夜で調整中。また最終回は、十二月二十四(土)に、「銭形平次捕物控雪の精 長編浪曲一挙口演」を四度めになりますが、やろうと思います。
二月に「悲願」、十二月「銭形」。
長編一挙は一番キツイ。それを二本。
そのことでもっと進みたい、もっと深めたい。豊子師匠に相談したら、一言「いいよ、やろう!」……なんという心強い。稽古を重ね、今まで以上に、一席一席面白いものに、心映えの深いものに。どうかお付き合いいただきたいと思っております。

浪曲以外の活動も、力を入れたいと思います。
武春師匠は、つねに、「外の世界を見る事」の重要性を言っておられました。
浪曲師なのだ。それはどこまで行っても浪曲師なのだから、浪曲以外の引き出しを増やすことこそ、浪曲に生きて来る、とおっしゃっていました。その言葉を胸に反芻しつつ。
昨年、世界最古の神話「イナンナの冥界下り」を、お能の安田登先生の一座で十一月に上演しました(@セルリアンタワー能楽堂)。「イナンナ」は二月十六日@日本デザインセンター、四月十三日@西浅草・西徳寺と、公演が続きます。銀座公演のチラシはできてる。
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「イナンナ」のあとに取り組むのが、泉鏡花の幻想三部作の中で最高傑作と言われ、上演困難と言われた「海神別荘」。
やはりお能を軸としたコラボレーションで上演します。
原作は大変美しい幻想的な世界です。伝統芸能のコラボ公演は非常に勉強になります。能、狂言、人形、浪曲……日本の伝統芸能の修業をしたものたちは、「息を合わせる」ことを知っていて、能と浪曲が、「合う」のです。「海神別荘」も、必ずや、不思議で面白い舞台になると思います。
「海神別荘」三月五日(土)十五時開演@カメリアホール 全席指定 前売り5000円 予約問合せ:カメリアホール 03-5626-2121
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2月には、5泊6日で中国へ行ってきます。日中文化交流協会の企画で、「馬街書会」という、毎年、春節のあと、中国全土から「語り芸」の芸人が、わらわらわらと数百人、麦畑に集まって、お客さんもいっぱい集まって、麦を踏みながら芸を披露するという、600年続いている催し……これ、想像できます?
それを見たあと、中国版の浪曲ともいえる、「評弾」という芸の、芸人を養成している学校@蘇州を見学。
蘇州ははるか昔に行って、二度目だなあ。
中国の語り芸を堪能してきます。……えっと、たんに旅行者として芸を見に行くつもりなんですが、
「え? 奈々福さん、きものと三味線持っていかないの?」……さて、どういうツアーになることやら。

今年の抱負、目標……を、今日聞かれました。
私は長期的なビジョンというのは全然ないのです。一席一席、目の前に来てくださったお客様が、心ほどいて異時間を楽しんでいただけるような浪曲を演じたいのみです。
それが、積み重なって、進歩していければいい。
去年より稽古時間を増やしたいと思います。新しいものも作りたいし、もっと身体能力を高めたいです。
「この世界で苦労することのできる幸せを思え」
……8年くらい前。豊子師匠が大けがをして、私がしょぼくれきっていたときに、武春師匠が言ってくださった言葉。
好きで選んだ道で、苦労ができることは、幸せ。
今年も頑張ります。



posted by ななふく at 01:10| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月31日

私的2015回顧録

覚えた演題、四つ。
「置土産」(正岡容・原作 奈々福・作)
「彼と小猿七之助」(川口松太郎・原作 奈々福・作)
「日蓮上人御伝記 七面天女」(木村学司・作)
「豊子と奈々福の浪花節更紗」(奈々福・作)

新作を三つ作りました。ほんとはもっともっと作るべきですね。
シブラクに出していただくようになってから、新作の有効性を感じています。
お客さんの層によって、本当にこちらも変わります。
そして、いま、来月24日に、武春師匠の代演をしなければならないお仕事ができ、師匠の十八番「英国密航」「松山鏡」を覚えています。
毎日、武春師匠の声に浸っています。

企画公演。
1月「天保水滸伝車読み 愛山・奈々福・太福・松之丞」@お江戸日本橋亭
4月から12月「玉川奈々福の浪曲破天荒列伝!」全五回@木馬亭
9月「浪曲タイフーン!」
……入門20年で自分に負荷をかけた企画、「破天荒列伝」が、毎回満員御礼で終れたこと、感無量でありました。
企画公演とは違うけれど、8月から「ガチンコ浪曲講座」全7回を、月イチで続行中。
これは、来年も、再来年も、同じ形で継続予定です。
あんまりみんな、浪曲の声を出すのが楽しそうで、ほろりとしますよ、毎回。
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第四回を終えて送り出しで豊子師匠と。

語り公演。
お能の安田登先生にお声掛けいただいて、能の語り+仕舞、浪曲の語り+三味線を軸にした伝統芸能のコラボ公演を数多くやらせていただきました。その数、15回以上。
いまや、私の仕事の中の、一つの柱になっています。
演目は、「夢十夜」「吾輩は猫である」「雪おんな」「耳なし芳一」……などなど。
そして、語りを軸とした大きな公演としては、世界最古の神話を舞台化した「イナンナの冥界下り」。6月に那須の二期倶楽部で、11月に渋谷のセルリアンタワー能楽堂で公演しました。大変刺激的な経験でした。
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作家・姜信子さんの企画で、姜さんの作品「さまよい安寿」も語りました。
コラボといえば、今年も安聖民さんと、九州、大阪、そして東京をご一緒させていただきました。いつかパンソリの故郷韓国で、合同公演ができればと願っています。
あ、それからアニメのアテレコも初体験しました。こちらを見てください。

ツアー。
熊本、久留米、福岡、北九州、山口、広島、神戸、長野……などなど。そして、初の天満天神繁昌亭出演させていただいた大阪ツアーは嬉しかった。
年末には、韓国はソウルでお仕事をさせていただきました。
豊子師匠は旅のお仕事が大好き。私は旅に出ると疲れて帰って来ますが、豊子師匠は旅先でどんどん元気になります。もう、やはり修業が違う!!!

ツアーといえば、一泊二日で、千葉県東庄町に「天保水滸伝ツアー」ができたのも嬉しかったです。香取神宮から入って、東庄町でいちご狩り、天保水滸伝の史跡めぐり、夜は浪曲会と、地元の方々との交流会、部屋飲み、翌日は、飯岡、銚子、そして鹿島神宮……楽しかったなあ! 来年は、3月26日に、今回は日帰りですが、ツアーを企画しております。年明けにご案内します。40名様限定です。ぜひご参加ください。
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笹川繁蔵に喧嘩売ってるのか、あたしは。

メディアへの出演。
『東京人』10月号、すてきなアラハン(around100歳)特集にて、玉川桃太郎、祐子夫妻を取材。桃太郎師匠の、最後のメディア出演となりました。
『銀座百点』10月号にて、嵐山光三郎先生と対談。嬉しかった!
タウン誌『うえの』12月号に文章を書かせていただきました。光栄!
ラジオは、NHK−FM浪曲十八番の出演が3回、
テレビは、NHK「浪曲特選・夏」に出演。
新聞記事にも数々取り上げていただきました。本当にありがたいです。

忘れがたい場所での公演。
小倉充子展と江戸の芸@横浜・三渓園。
移築した古いお寺の本堂で、扉をあけ放ち、江戸型染の小倉充子さんの、新作絵羽作品が風に揺れる中、浪曲させていただきました。扉の向こうに、冴えわたる緑が見えて、風に吹かれながら……やはり半野外の公演というのは、芸能の原点のココロがざわざわとよみがえる気持ちがします。
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円覚寺龍隠庵での、安藤ご夫妻の結婚記念の宴での、浪曲。
これも、緑あふれる龍隠庵の境内の書院で、風に吹かれながら。すばらしい宴、すばらしいお客様に囲まれて、これも忘れがたい一席でした。
浅草、浄土真宗西徳寺さんでの浪曲会。
声の響きのすばらしいご本堂で、檀家さんを中心としたお客様への浪曲会。浄土真宗は、語り芸の故郷です。あまりに響きとしつらえがすばらしく、4月にこのご本堂で「イナンナの冥界くだり」をさせていただきます。
声の響きでいえば、忘れてはならないのは、雑司ヶ谷本浄寺さんの拝鈍亭。最高!
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拝鈍亭にて、豊子師匠と、真っ白おそろい。

最後の最後に、最大級に悲しいことがありました。
国本武春師匠のご逝去。
一報を聞いたときには、血が逆流する思いでした。
8年半前に、師匠・福太郎を突然の事故で失ったときの記憶も同時にまざまざと蘇り、悲しいというよりも、奈落の闇をのぞき込むような寒々しい気持ちがいまだに続いています。
いらっしゃらないことが、いまだに信じられません。
でも昨日、尊敬する先生に、おまえたちはいつまで武春を頼っているんだと叱られました。
たしかに、武春師匠に、甘えていました。
悲しみというものは、癒えることはなく、心の奥深く刻印されてしまうものですが、私には私の浪曲があり、豊子師匠を支え、豊子師匠に支えられながら、これからも頑張って行かなければならないのだと思っております。
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木馬亭大忘年会にて。紙吹雪を持って突然あらわれて、場内をかっさらっていった豊子師匠。

武春師匠は、浪曲は人間賛歌だとおっしゃいました。
私もそう思います。
生きていることは、こんなに面白く楽しく色っぽく可愛く喜ばしく、ああ、わくわくする!
よし、明日も元気に私の人生を生きよう!
……と、寄席小屋を出るときにお客様に、わずかにでも思ってもらえるような浪曲を。

粘り腰で、修業を続けます。
今年も大変、お世話になりました。
どうか来る年も、お付き合いいただきたく。よろしくお願い致します。
よいお年をお迎えくださいませ。

奈々福拝
posted by ななふく at 15:12| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月29日

「もう、この世では、会えぬぞよ……」

「もう、この世では、会えぬぞよ……」
義士伝を数多く演じられた武春師匠が、「田村邸の別れ」「赤垣源蔵徳利の別れ」で言っておられたセリフが、ぐるぐると頭を回っております。
それが、現実になるなんて。
こんなに急に、逝ってしまわれるなんて。
倒れる前の日、お会いしたではありませんか。
まったく変わらずお元気だったではありませんか。
22日には、快方に向かわれたという知らせを受けたばかりだったではありませんか。

国本武春師匠が、24日、急逝されました。
まぶしく見続け、追いかけ続けていた方でした。
頼まれもしないのに、師匠のライブに駆け付けて手伝い、袖から舞台を見つめました。
青山の曼荼羅での定例公演(毎回ネタおろしをしていた!)。
アメリカ留学前の最後のライブは、三百人劇場だった。
下北沢の本多劇場、パルコでの連続公演……。
武春師匠渾身の舞台の記憶が強く私の中に残っています。
闘う現場を、見続けました。
私の師匠・玉川福太郎亡きあとは、ことあるごとにご相談し、ご意見を仰ぎました。
私は玉川福太郎の弟子ですが、国本武春の一番弟子でもあったと思っております。
武春師匠がいらっしゃらなかったら、果たして私はこの道を続けてこられただろうか。
いまだに、ただ呆然とするばかりです。
いらっしゃらないことが、信じられない。
神様、こんなの、嘘でしょう?

袖から、武春師匠を見つめるお客様の顔も見ていた。
お客さんの顔を、心を、あんなに明るくし、あんなにゆるませる、そんなことが、私もできるようになりたいと、思っていた。
圧倒的な、腕力。お客さんを、芸の世界へと、かっさらっていく、力。

5年前。大きな病気をされました。
社会復帰は無理とまで、お医者さまに言われたそうで、私たちはそのときも必死に、ご不在に耐えて、ご復帰を信じて待ちました。
信じていたけれど、辛かった。
見事に復帰され、木馬亭の舞台に立たれたときは、袖で大泣きした。

でも、思えば、超人的な仕事をされ、長年浪曲の旗を一人で振ってこられた武春師匠の、
ご復帰後の5年は、私たち後進のものへの、プレゼントだったのだろうと、思います。
浪曲は、極上のエンターテイメントとして今ありうるということを、全力で示し。
後進に希望を与え。
新しいファンを続々と増やし。
おかげで、ここ5年、木馬亭の入場客数は、伸び続けています。

まさに、うなるカリスマ。
同じ時をご一緒できた幸せを、喜ぶべきなのだろうと思います。
そして、その志を、受け継いでいかなければいけないのですね、武春師匠。
でも、震えるほどのこの淋しさは、どうしたらいいのだろう。

どんなにお礼を言っても言い足りません。
武春師匠がいらしたから、今の私はあります。
一番弟子であるまえに、後輩であるまえに、ファンでした。

天に向かって叫びます。
武春師匠、ありがとうございました。

武春師匠のお別れ会のお知らせです。どなたでもご参加いただけます。
【国本武春お別れ会のお知らせ】
故・国本武春のお別れ会を以下の通り執り行います。 2月3日18:00より、浅草ビューホテル4階飛翔の間にて。
会費一万円
(一社)日本浪曲協会
木馬亭
武春堂
posted by ななふく at 01:12| 東京 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月10日

浪曲の有名演題がわかった気になる解説その5「俵星玄蕃」

「浪曲破天荒列伝」で毎回つけた解説。お客様にわかりやすく聞いていただくためでもありましたが、自分のためでもありました。最終回の解説、アップしておきます。
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〽槍は錆びてもこの名は錆びぬ。男玄蕃の心意気。赤穂浪士の蔭となり、尽くす誠は槍一筋に、薫る誉の元禄桜……。
三波春夫先生の長編歌謡浪曲「俵星玄蕃」。戦後歌謡史に、燦然と輝く金字塔です。
作詞は、北村桃児。三波先生のペンネーム。「雪を蹴立てて、サク、サク、サクサクサクサク……『先生!』『蕎麦屋か!』」……忘れがたい名台詞も、三波先生によって書かれ、完璧に構築された世界です。
赤穂事件の概要を、ご説明申し上げる紙幅はないので、とりあえず三波春夫著『真髄三波忠臣蔵』(小学館文庫・絶版!)を古本屋さんで探して読んでください。一番わかりやすい解説書です。元禄十四(一七〇一)年三月の松の廊下の刃傷から翌年十二月十四日の吉良邸討入りまでの「本伝」を軸として、赤穂四十七士の「銘々伝」や、その外側のエピソードが「外伝」としてさまざまに伝えられているわけです。
で、肝心の俵星。四十七士の一人ではありません。な、なんと、架空の人物!
これも三波春夫先生のご著書から引用させていただきましょう。
「私の十八番、長編歌謡浪曲の主人公・俵星玄蕃の初出は、文化二年(一八〇五年)に『江戸名釈看板 雪の曙 誉れの槍』という題名で語られています。浪曲では、名人と謳われた桃中軒雲右衛門が明治から大正時代にかけて口演していました。
 赤穂浪士ではない俵星に、なぜ共感が集まるのかと考えてみると、この人の姿を借りて、忠臣蔵の人々に満腔の敬意と讃辞を送る、大衆の声だったのです」
事件からおよそ百年後の時点で、講談で語られていた物語のようですね。三波先生は、大石神社編の『赤穂義士事典』を読まれたのだと思います。宝蔵院流槍術指南。両国で道場を開きながらも浪々の身の上。赤穂義士が討入りの際、吉良邸に駆け付け、助太刀を申し出て、大石内蔵助に断られる。で、仕方なく両国橋のたもとで仁王立ち、邪魔する奴は容赦しないぞーーーって……、立ってるだけ。
でも、その人に、私は色気を感じる。天下一の腕を持ちながら世に出るあてもなく、鬱屈を抱える彼が、赤穂事件を知ったときに、浪士に寄せる感情を想像します。おのれの場を見いだせない彼は心を、義士に託す。その相手が、蕎麦屋を装い吉良の屋敷を探る杉野十平次。
杉野の正体を見破る玄蕃の視線。二人の腹の探り合い、そして表立った言葉にせずに、互いを思いやる様に、なんともいえない人間の色気を感じます。
二人とも、一途な心の持ち主だ。とうとい、おろかものだ。浪曲の中で躍動させたい。
前席は気鋭の東家一太郎による、銘々伝中の傑作「安兵衛道場破り」。私の「俵星」は、二代目玉川勝太郎演のものを受け継ぎ、三波先生テイストも、ひそかに加えました。奈々福にはめずらしく、笑いどころひとつもありません。
でも、懸命にこの人を演じたく思っております。
posted by ななふく at 23:51| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月04日

感無量……。

2004年の「徹底天保水滸伝」全五回。2005年の「浪曲英雄列伝」全五回。
弟子が師匠をプロデュースするという逆さまごとをしてまで、師匠を、浪曲を聞いてほしかった。
大成功で終ったあの連続公演から十年。

師匠が、いなくなりました。
先輩方が、だいぶ、少なくなりました。

浪曲は面白い!
それを言うためには、自分自身を恃むしか、もうない。芸人として二十歳になったことでもある。
……う〜〜〜ん、ハードル高いよな。でもやらなくちゃな。
で、いまの私の浪曲に込める思いはなにかと考えました。
「破天荒であれよかし!!!」
というわけで五回お送りした「奈々福の浪曲破天荒列伝」
最終回を大盛況で打ち上げることができ……正直、感無量です。
天上の師匠に、報告したいです。

開口一番は、伸び盛りの若手男子に一席やってもらいました。
三回目までは弟弟子の玉川太福。いま、すごく頑張っています。
四回目に、年季明け披露をしたばかりの澤勇人。
最終回には、弟弟子と同期の、東家一太郎。お、頑張っているな、いい節だな。

そして尊敬する師匠がたを、ゲストにお迎えしました。
松尾貴史さん、松元ヒロさん、立川談四楼師匠、橘右之吉師匠、春風亭昇太師匠。

奈々福が申し上げたのは破天荒な人たち躍動する五席。
「天保水滸伝」より「平手の駆け付け」
「清水次郎長伝」より「お民の度胸」
「寛永三馬術」より「曲垣と度々平」
「甚五郎旅日記」より「掛川宿」
「赤穂義士伝」より「俵星玄蕃」
いまの私の精一杯でございました。

でも、この企画をやりながら、私は浪曲になって本当によかったと、この芸への確信を深めました。
やっぱり三味線との丁々発止は、こたえられません。
いつも打ち上げで疲れもみせず、うっすい焼酎で耳のさきっちょまでピンクになってころころ笑っている、
わがいとしの豊子師匠に心底感謝。

また、いくら私が精一杯がんばったところで、支えて下さるお客様がいなければ会は成り立ちません。
全五回制覇の方々もいらっしゃり、ほんとうに強く強く支えていただきました。
心からお礼申し上げます。

来年も、実は二か月に一回、木馬亭にての企画公演を懲りずにやります。
まずは、2月13日(土)の「浪曲破天荒列伝番外編 悲願千人斬の女」長編浪曲一挙口演@木馬亭。
そして4月9日(土)の「スゴ女流!」@木馬亭。澤孝子、三原佐知子、天中軒雲月といった「スゴ声」「スゴ存在感」の大先輩たちの競演。奈々福と最年少浪曲師国本はる乃が露払いをそれぞれ一席つとめます。
詳細は、追って。

今月残りは、まだ試練も課題も収録もいろいろあるんですが、まずはこれに来て来て来て〜〜〜!

10日(木)奈々福・太福の浪曲浮かれナイト 清き流れの玉川姉弟会@らくごカフェ19:00〜 
奈々福「団十郎と馬の足」太福「自転車水滸伝〜サドルの最期」
私は蔵から久々の演目を引っ張り出し、太福はネタおろしではないかと思います。
前回より、合間に、二人でトークを入れております。二人で公開でしゃべること、まず、ないです。
前売り1800円 当日2000円 らくごカフェ rakugocafe@hotmail.co.jp 03-6268-9818
玉川奈々福・太福の浪曲浮かれナイト13.jpg

11日(金)ふたりらくご@ユーロライブ18:00〜
出演:古今亭文菊 玉川奈々福(曲師:沢村豊子)
木戸銭:当日券=大人1,200円/学生900円/高校生・落研600円/会員1,100円
前売券=大人1,000円/学生700円/高校生・落研400円/会員900円
会員=ユーロスペースおよびシネマヴェーラ会員 当日券は開演1時間前より販売
全自由席(178席)券面記載の整理番号順に入場
◆電話による前売り予約 (平日10:00〜18:00):0120-240-540(カンフェティチケットセンター)
posted by ななふく at 17:22| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月01日

破天荒であれよかし!

師走、となりました。
今日は、予定がふっと抜けたので、気持ちを落ち着けて明後日の準備をしています。
「玉川奈々福の浪曲破天荒列伝」最終回が、いよいよ明後日です。

木馬亭で、数々公演をさせてもらってきましたが、一年に5回、自分を看板にして、ひとつのテーマで、などということはやったことがない。2004年から2年にわたって師匠・福太郎の連続公演をプロデュースしましたが、今回は自分が看板です。
大きな負荷で、できるかどうかと思いましたが、全五回、早かったなああああ!!!
なんとか形になりそうで、本当に我ながら驚きます。
ひとえに、毎回お運びくださったお客様のおかげです。

最後のこの会を、精いっぱい盛り上げなければ。

いま、俵星玄蕃の解説を書いています。
なぜ私はこの人に色気を感じ、惚れこんでいるのだろう。

昨日、水木しげる先生が亡くなられて、ツイッターの、私のタイムラインは死を惜しむ声があふれています。
そのなかで、先生の「幸福の七カ条」というのを見つけました。

第一条 成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。

第二条 しないではいられないことをし続けなさい。

第三条 他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追及すべし。

第四条 好きの力を信じる。

第五条 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。

第六条 怠け者になりなさい。

第七条 目に見えない世界を信じる。


私の求めているものに、ぴたっと来ます。
いまこういう価値感ではなかなか生きられないのでしょう。なにかに責めたてられて、あおられて。
私が惚れる主人公たちは、この七カ条を漏れなく実践している人たちかと思っています。
平手造酒も、お民さんも、度々平も、甚五郎も、そして俵星玄蕃も。
だいたい、世間的な成功や栄誉と無縁だし。
己の赴くままにほとばしっているし。
全員、大酒のみだ(人生の効率を考えたら酒は無駄以外のなにものでもない)。
また、武術をはじめ、なにかしらすぐれた身体技能を持っている人は、目に見えない世界を信じていると思います。

頭の中で三波先生の長編歌謡浪曲が鳴っている。もう、超カッコイイ。
嗚呼、破天荒であれよかし!
落ち着いて、この大きな演題を、演じきれますように。
ご予約締め切りましたが、当日券を少し出します。
ちょっとお天気が心配だし、寒いですけれど、どうかあたたかくしておでかけくださいませ。
心からお待ちしております。
posted by ななふく at 21:11| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

1月暫定予定。

1月の予定です。

2日(土)浪曲定席木馬亭正月特別公演@木馬亭11:00〜奈々福は12:35アガリ予定
出演:国本はる乃 澤勇人 東家一太郎 玉川ぶん福 玉川奈々福 国本晴美 イエス玉川(漫談)神田紫(講談)国本武春 東家浦太郎(出演順)
木戸銭:2500円

3日(日)浪曲定席木馬亭正月特別公演@木馬亭11:00〜奈々福は12:35アガリ予定
出演:富士実子 港家小ゆき 玉川太福 木村勝千代 玉川奈々福 天津ひずる 柳家松太郎(切り絵)神田紅(講談)国本武春 富士路子(出演順)
木戸銭:2500円

4日(月)浪曲定席木馬亭正月特別公演@木馬亭12:00〜奈々福は勝子師匠の曲師
出演:廣澤虎康 澤勇人 花渡家ちとせ 玉川こう福 大利根勝子 宝井琴梅(講談) 浜乃一舟 澤孝子(出演順)
木戸銭2500円

5日(火)新春スペシャル「オペラ寄席すぱげっ亭」@NHK−FM18:00〜18:50
「蝶々夫人」 浪曲・玉川奈々福
3日から5夜連続の企画で、私は「蝶々夫人」を、浪曲で語り、合間にオペラの曲が入る構成で50分お送りします。

5日(火)毎週通うは浪曲火曜亭!@日本浪曲協会広間19:00〜
出演:玉川奈々福 東家孝太郎(曲師:沢村豊子)
木戸銭:1500円(お茶+お菓子つき)

8日(金)浪曲日本橋亭@お江戸日本橋亭13:00〜
出演:玉川太福 玉川奈々福 国本武春 富士路子(出演順)
木戸銭:予約1500円 当日2000円(日本浪曲協会 03-3844-1611)

9日(土)玉川奈々福後援会懇親会(^^♪
★昨年はできず、結局新年会になってしまいましたが、後援会のみなさんこぞってご参加くださーい。

10日(日)渋谷らくご@ユーロライブ14:00〜
出演予定:立川志ら乃、春風亭昇々、玉川奈々福(曲師:玉川みね子) 橘家圓太郎 
木戸銭:当日券=大人1,200円/学生900円/高校生・落研600円/会員1,100円
前売券=大人1,000円/学生700円/高校生・落研400円/会員900円
会員=ユーロスペースおよびシネマヴェーラ会員 当日券は開演1時間前より販売
全自由席(178席)券面記載の整理番号順に入場
◆電話による前売り予約 (平日10:00〜18:00):0120-240-540(カンフェティチケットセンター)

12日(火) 埼玉某所で一席……らしいんですが、なんにもわかってません。

14日(木) 浪曲寺子屋@広尾・東江寺19:00〜
安田先生の寺子屋にて、浪曲をまたやらせていただきます。
出演:玉川太福 玉川奈々福(曲師:沢村豊子)
木戸銭:お賽銭

16日(土) かつしか下町寄席@郷土と天文の博物館講堂(葛飾区白鳥)14:00〜 
出演:立川吉幸 玉川奈々福(曲師:沢村豊子)ほか

16日(土)  猿八座人形浄瑠璃「耳なし芳一」「件」公演にゲストとして参加@馬喰町ART+EAT18:30〜      出演:渡部八太夫 姜信子
     前売り2000円 当日2500円 
     会場 馬喰町 ART&EAT  〒101-0031 東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル202.
     予約・問い合わせ 03−6413−8049

19日(火) 立川談四楼・玉川奈々福二人会@上野広小路亭19:00〜

24日(日) 江戸東京博物館 浪曲公演「英国密航」―進化する伝統芸能“浪曲”と影絵のコラボ!
於:東京都江戸東京博物館 1階 ホール
全席自由:2,000円
全席自由(高校生以下):1,000円
(税込)
チケット申し込みはこちら

25日〜27日 福岡県赤村

28日(木) ガチンコ浪曲講座@カメリアプラザ6F和室19:00〜 満員御礼

30日(土) 能女義浪!@すみだトリフォニーホール小ホール14:00〜
出演:安田登(能楽師ワキ方)槻宅聡(能楽師笛方)「隅田川」より
   竹本越孝(女流義太夫 太夫)鶴澤寛也(女流義太夫 三味線)「碁石太平記」より
   玉川奈々福(浪曲師)沢村豊子(曲師)「悲願千人斬の女」より 
   演者による座談会あり。
入場料:全席指定¥3,000
問合せ トリフォニーホールチケットセンター 03−5608−1212
★昨年木馬亭で奈々福プロデュースで催した、能と女流義太夫と浪花節の会、墨田区が再度企画を組んでくださいました。座談会が超面白かったこの会。今回は北斎美術館のプレ企画として、隅田川に関連のある演題を並べます。

31日(日) 沢村豊子・さくら 曲師の親子会@大阪・大丸心斎橋劇場14:00〜
出演:沢村豊子 沢村さくら 京山小圓嬢 東家浦太郎 玉川奈々福 五月一秀
木戸銭:全席自由 予約4000円当日4500円
予約問合せ:070-6682-3551
親子会チラシ表.jpg
★珍しい「曲師」の、しかも「親子」会。さくらさんのプロデュースで、豪華な会になります。東京では2月27日にやります。奈々福、チケット売るほど持たされてますので、よろしくです。

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2015年11月17日

浪曲の有名演題がわかった気になる解説その4「左甚五郎」

破天荒列伝第四回でお客様にお配りした解説。アップするの忘れてました。

 左甚五郎……さて。その作とされる彫刻は全国各地に残っておりますが、この人は実在したのかどうか、いたとしてそれは一人の人物であるのか、「左甚五郎」を名乗る職能集団であったのか、生地も播州明石、紀州根来、讃岐高松と諸説あり、よくわかっていない人です。
 左家の末裔・左光挙氏の著『名工左甚五郎の一生』によれば、文禄三(一五九四)年播州明石に生まれ、足利家の臣下であった父親の亡き後、叔父である飛騨高山金森家家臣河合忠左衛門宅に寄寓。その後京伏見禁裏の大工棟梁の弟子となり、元和五年(一六一九)に江戸へ下り、堂宮大工棟梁として名を上げた。
 江戸城改築に参画し、西の丸地下道の秘密計画保持のために襲われたが、刺客を倒し、寛永十一年(一六三四)、老中土井大炒頭利勝のはからいで讃岐高松藩に亡命。その後京都に戻り、師の名を継いで禁裏大工棟梁を拝命、寛永一九(一六四二)年高松藩の客文頭領となったが、慶安四(一六五一)年頃に逝去。享年五十八……とのこと。
 前回、「寛永三馬術」の解説で、江戸も寛永年間までは武勇の風が残り武芸ものがこの時期に集中していると申しましたが、慶安はそのすぐ後。この時代には、「慶安太平記」つまり由井正雪の乱を扱った一連の物語がありますが、これが実に「トンデモ人物列伝」の態をなしており、この時期も、伝説的人物輩出期と、奈々福は勝手に思っております。
 私の持っている甚五郎の講談本は、昭和二十五年富士屋書店から発行された講談研究会篇「名匠左甚五郎」と題されたもの。三井の大黒、龍刻み、竹の水仙、蟹、偽甚五郎、天王寺の猫……数々のお話が載っております。
 私の甚五郎はいずれも、戦後放送浪曲で大活躍され、豊子師匠が長年相三味線を務められた国友忠先生からいただいたもので、「天王寺の猫」「小田原の猫餅」そして「掛川宿」の三つ。「なんでこんな老人臭いネタをやりたがるんだ」と先生から笑われ、呆れられたものですが、戦後、GHQから義士伝を禁じられたとき、甚五郎の話には大いに助けられた、大事な演題だぞ、と先生から何度も言われました。
「甚五郎」と「水戸黄門」「乃木将軍」は、同工異曲だと思っています。最後に「印籠」が出る。最後に「ええええええっ! それではアナタはッ!」……日本人の大好物な物語構造です。今日の演題は、気鋭の澤勇人が、大師匠・廣澤菊春先生ゆずりの「笑う首」。そして私が、日本画家・狩野探幽との腕比べのくだり「掛川宿」。これは講談本にもありますが、講談では鳴海宿になっており、またなりゆきも違います。こういう話って、その演者の出身地(場所を自分の出身地にしてしまう)やら、目の前にいるお客さんによって、物語の流れも自在に変えられてきた部分もあるのではないかと思います。浪曲の中においてさえ、「猫餅」のお話は、澤孝子師匠では掛川宿になっていますが、国友先生から教わった私のものは、小田原宿。筋はだいたい一緒ですが、描き方が違います。そういうところも、語りものを数々聞いていく楽しみです。
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2015年11月07日

12月の予定(随時更新)

11月前半まで異常事態でした。売れっ子になったのかと錯覚しそうになりましたが、12月は通常運転。
年末はすこしほっとできるかな。
とはいえ、12月は初の海外公演があります。
韓国のソウル大学にて浪曲。字幕付き(字幕担当:安聖民・趙倫子)。豊子師匠が楽しみにしてます。

12月3日(木)浪曲定席木馬亭@木馬亭12:15〜
出演:港家小ゆき 澤勇人 花渡家ちとせ 国本晴美 玉川太福 神田阿久鯉(講談) 玉川奈々福 澤孝子(出演順)
チラシでは浜乃一舟出演予定になっておりましたが、都合により休演、国本晴美が代演になります。ご了解くださいませ。

12月3日(木)「浪曲破天荒列伝!」最終回@木馬亭19:00〜
前読み:東家一太郎「義士銘々伝 安兵衛道場破り」曲師:東家美
ゲスト:春風亭昇太(落語……もしかして浪曲?)
浪曲:玉川奈々福「俵星玄蕃」曲師:沢村豊子
木戸銭:全席自由 予約3000円 当日3500円
予約問合せ:プロジェクト福太郎 tamamiho55@yahoo.co.jp
全五回の破天荒列伝、いよいよ最終回です。浪曲ファンの昇太師匠に、ぜひとも浪曲をとお願いしておりますが、どうなることかっ!? そして私は、笑いどころ一つもありませんが、惚れ抜いております演題「俵星玄蕃」を、渾身で演じます。二代目の先生ゆずり。俵星の心意気を、お客様に伝えられますように!
ちなみにこの「破天荒列伝!」、番外編を、2月13日にやります。実は一番破天荒な人として、「悲願千人斬の女」長編浪曲一挙口演をいたします。豊子師匠と二人で二時間!

5日(土) セッション!仏教の語り芸@大阪市天王寺区應典院14:00〜
安田登(能楽師)+玉川奈々福(浪曲師 曲師:沢村豊子)
ホスト:釈徹宗
古来から、日本人は仏教の語りに心を震わせてきた。死者の鎮魂、弱者の嘆き、そして仏の讃歎……
他界から響く声とパフォーマンスが、あなたの五感を刺激する。
極上の仏教パフォーマンス、伝統と創造のセッション!
参加費  当日3,000円、前売一般2,500円、前売学生2,000円
TEL 0570-02-9999 チケットぴあPコード 630-950
問合せ 浄土宗應典院 TEL06-6771-7641 FAX 06-6770-3147 E-mail info@outenin.com

7日(月)浪曲定席木馬亭@木馬亭12:15〜
出演:富士綾那 港家小ゆき 玉川奈々福 富士路子 澤惠子 宝井琴柑(講談) 富士琴美 東家浦太郎(出演順)

10日(木)奈々福・太福の浪曲浮かれナイト 清き流れの玉川姉弟会@らくごカフェ19:00〜 
奈々福「団十郎と馬の足」太福「自転車水滸伝〜サドルの最期」
私は蔵から久々の演目を引っ張り出し、太福はネタおろしではないかと思います。
前回より、合間に、二人でトークを入れております。二人で公開でしゃべること、まず、ないです。
前売り1800円 当日2000円 らくごカフェ rakugocafe@hotmail.co.jp 03-6268-9818
玉川奈々福・太福の浪曲浮かれナイト13.jpg

11日(金)ふたりらくご@ユーロライブ18:00〜
出演:古今亭文菊 玉川奈々福(曲師:沢村豊子)
木戸銭:当日券=大人1,200円/学生900円/高校生・落研600円/会員1,100円
前売券=大人1,000円/学生700円/高校生・落研400円/会員900円
会員=ユーロスペースおよびシネマヴェーラ会員 当日券は開演1時間前より販売
全自由席(178席)券面記載の整理番号順に入場
◆電話による前売り予約 (平日10:00〜18:00):0120-240-540(カンフェティチケットセンター)
文菊師匠と二人の会。なんだか、四人出演の渋谷らくごよりも、気分はしっとりしますね。
素敵な師匠とご一緒させていただけるうれしさ……楽しみです。

13日(日) “等身大人形(ヒトカタ)と浪曲と音景のコラボレーション”
『椿太夫の恋』ほか 14:00〜@長野県飯島町文化館大ホール
出演/人形師 飯田美千香(百鬼ゆめひな)
ゲスト出演/浪曲師 玉川奈々福、曲師 沢村豊子、音楽 音景 木並和彦
2015年12月13日(日)14:00〜@飯島町文化館 大ホール
長野県上伊那郡飯島町飯島2489番地
TEL.0265-86-5877
料金/前売2,000円 当日2,500円
問合せ先/いいじま文化サロンTEL.0265-86-3111
百鬼ゆめひなTEL.0265-98-0383
美千香さんと、「椿太夫の恋」をコラボレーションします。私は語りに徹し、椿、その他登場人物を、美千香さんと人形が……どんな世界になるか、私自身わくわくしています。
椿チラシ表.jpg

14日 忠臣蔵でござる うなりあいますわ@イイノホール 19:00〜
出演:春風亭昇太 三遊亭白鳥 柳家喬太郎 林家彦いち 国本武春 玉川奈々福 沢村豊子
料金  5500円 (全席指定)
▼電話予約 TEL 03-5474-1929 (らくご@座)
どうやら昇太師匠の曲師を務めさせていただくようです。それから、後半のバラエティで……え?

17日 クリスマスライブ@東京都健康プラザ ハイジア(新宿・歌舞伎町)12:30〜
出演:玉川奈々福(曲師:沢村豊子)
「浪曲シンデレラ」「豊子と奈々福の浪花節更紗」
オープンスペースでの浪曲会。無料です。

18日 ガチンコ浪曲講座@カメリアプラザ和室19:00〜(満員御礼)

20日〜24日韓国公演。23日 ソウル大学にて浪曲公演@ソウル大学
    出演:玉川奈々福(曲師:沢村豊子) 道案内:姜信子
    演題「仙台の鬼夫婦」(字幕:安聖民 趙倫子)

26日 日本舞踊の忘年会にて一席

27日(日)大忘年会@木馬亭13:00〜
   浪曲での出演:澤孝子 東家浦太郎 富士路子 玉川太福
   その他余興での出演:日本浪曲協会員多数 奈々福は「元禄名槍譜 俵星玄蕃」8分半歌います!
   当日券のみ。木戸銭:3000円
   
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破天荒列伝、次回が最終回です!

「自分はなにゆえ、浪曲を選んでいるのか。
浪曲を演じることで、何をやりたいと思っているのか、考えます。
最近、わかったのです。私は貴いオロカモノの話がしたいのだ。
浪曲の世界に入って、私の中にもふつうにある経済主義的な、効率優先主義的なものが、今に至るまで、暴力的に壊され続けています。
……それを至上として生きてたら、到底浪曲の楽屋になんざいられません。
一番荒療治をほどこしてくれたのは言うまでもなく、私の家に住み込んで帰らなくなっちゃって、2年間同棲した豊子師匠ですけれど。
……話がズレましたが。
オロカで勝手で、自由な魂を持っている人たちが、浪曲界にも、そして浪曲のお話の中にも数多く登場します。
私が心惹かれるのはそういう人たちであり、そういう人たちの物語を伝えたいと思っています。
世の中は、昨今窮屈になりゆくばかりであるからこそ、よけいに。
で、「破天荒列伝」なわけです」(ななふく日記2014/04/06より)

今年の4月、「浪曲破天荒列伝」第一回を二週間後に控えて、私はこう書きました。
第四回目まで終えて、浪曲という芸の強さを、今年は今までに増して、感じています。
強いなあ、浪曲は!!! 
今年も、今までになかった場をいただいて、自分の仕事を客観的に見られたこともあり、私の中で浪曲がさらに躍動しています。だから、破天荒なオロカモノたちも、躍動してくれているはずです。

いよいよ最終回です。
赤穂義士伝。浪曲の物語群のなかでも大きな柱です。
そして今回取り上げる「オロカモノ」は、四十七士、の中の人ではありません。
俵星玄蕃。なんといっても三波春夫先生の長編歌謡浪曲で超有名。
ところが、この人物を、二代目勝太郎が演じておりました。それを、覚えました。

赤穂義士に討入りの際、助太刀を申し出て、大石内蔵助に断られる……えっ!? そう、断られる人物。
……断られるんですよ、この人。活躍しないままに、一編の浪曲は終わってしまう。
これ、落語だったらツッコむでしょうね。
でも、その人に、私は色気を感じる。平手造酒より、ちょっと明るく、太い人です。
でも、生まれついての気性ゆえ国を追われ浪々の身の上。鬱屈を抱えています。
こうあるはずであった自分と、いまの自分とのギャップ。
鬱屈を抱える彼が赤穂事件を見たときに、浪士に心を寄せる気持ちを想像します。
おのれの場を見いだせない彼は、心を、義士に託す。その相手が、杉野十平次。
この二人の腹の探り合い、そして言葉にせずに心を通わせる様に、なんともいえない人間の色気を感じます。

とうとい、おろかもの。この人を、浪曲の中で躍動させたい。
奈々福にはめずらしく、笑いどころひとつもありません。
でも、懸命にこの人を演じたく思っております。

ゲストは、なんと、春風亭昇太師匠。しかも昇太師匠に、浪曲をやっていただきたいとお願いしております。
曲師は、不肖奈々福がつとめるという、世にも珍しい組み合わせ。
わくわく!
残席僅少。どうか、「破天荒列伝」、最終回の心意気を見届けてください。
あ、それから、来年2月13日(土)に、破天荒列伝番外編、実は一番破天荒な人「悲願千人斬の女」長編浪曲一挙口演の会を木馬亭にていたします。(たぶん14時開演)。そちらもご予約受付ちう。

玉川奈々福の浪曲破天荒列伝 最終回「俵星玄蕃」
出演:東家一太郎「義士伝より 安兵衛道場破り」(曲師:東家美)
ゲスト 春風亭昇太(もしかして、浪曲???)
   玉川奈々福「俵星玄蕃」(曲師:沢村豊子)
12月3日(木)18:30開場 19:00開演@木馬亭 木戸銭:予約3000円 当日3500円
予約問合せ:プロジェクト福太郎 tamamiho55@yahoo.co.jp


posted by ななふく at 22:13| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月20日

桃太郎師匠、ありがとうございました。「東京人」10月号、桃太郎+祐子インタビュー記事

玉川の、いえ、浪曲界の最長老、玉川桃太郎師匠が、14日、亡くなられました。
91歳、ほんとうに眠るようだったとうかがいました。
5月に、うちの弟弟子・太福主催の「玉川桃太郎・祐子師匠に太福がじっくり学ぶ会」が木馬亭であり、元気にご出演されました。
翌月の定席にもご出演。
……これが桃太郎師匠の、最後の浪曲の舞台になりました。
7月のアタマに、私は雑誌『東京人』のアラハン(around100歳)特集のために、ご自宅にうかがい、インタビューをしました。
この記事が、桃太郎師匠が公式に表に出られた最後、ということになります。

雑誌は9月アタマに書店に並びました。すでに次号が出ており、編集部からも許可を得ましたので、ここに、桃太郎師匠への思いを込めて、そのインタビュー記事を、転載します。

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「合わせて183歳! 夫婦で浪曲の舞台に挑む。」(文責:玉川奈々福)

 玉川桃太郎師匠九十一歳。妻で曲師の祐子師匠、九十二歳。浪曲界最高齢……いや、ひろく芸界を見渡しても、現役コンビの最高齢ではないだろうか。
 浪曲にはじつは長命の方が多い。大きな声で節を唸るので、心肺機能が鍛えられることも理由の一つだと思っている。
 桃太郎師匠は、♪利根の川風袂に入れて、月に棹さす高瀬舟……で始まる「天保水滸伝」で戦後一世を風靡した、二代目玉川勝太郎の弟子。私の師匠・玉川福太郎の、その師匠・三代目勝太郎の兄弟子に当る。私にとっては芸の上での大伯父さん。
 ……そもそも、浪曲という芸を、皆さんご存知でいらっしゃいましょうか。浪花節とも呼ばれ、落語や講談が坐って一人で語るのに対し、演台を前に立ち、三味線(曲師)一丁を上手側に据えて、節(歌うような部分)と啖呵(語り部分)で物語を織りなす語り芸。「赤穂義士伝」「清水次郎長伝」……武家ものから、侠客伝、はては現代モノまで、幅広い演目があり、明治末期から昭和三十年代までは、大人気をとっていた芸能である。
 いま、東京で浪曲の定席は、浅草の木馬亭一軒。毎月一日から七日の定席で、浪曲七席と講談一席を楽しめる。その木馬亭に、お二人は、毎月出演されている。
 ダンディな桃太郎師匠は、いつもジャケットに帽子。木馬亭に到着すると楽屋には入らず、客席の一番後ろの壁際に陣取る。そして開口一番の若手の舞台からじっと、お地蔵さんのように動かず、節に耳を傾けている。
一方の祐子師匠。小さな身体でご自分の三味線を背負い、桃太郎師匠の着物とご自分の荷物を両手に持って楽屋入り。歩く速度はめっぽう早い。若手にまで漏れなく「おはようございます!」「今日はよろしく」「あらあら荷物持ってくれてありがとねえ」と、明るい声で声をかけ、手早く三味線を立て、毎度持参の味付け卵をテーブルの上に広げる。「はい、食べて頂戴よ!」
浪曲の若手は、祐子師匠のこの味付け卵を大変楽しみにしている。
「夜のうちに作っちゃえば楽なんだけど、それじゃうまくないの。その日につくるからいいんだよ」
これが、むちゃくちゃ美味しいんである。
 祐子師匠はいつも上機嫌だ。
「あたしはぺらこんぺらこん、よくしゃべるでしょう?」
 いえいえ、祐子師匠のお顔を見たら、誰だって気持ちがほどけちゃいますよ。
その日の私の演題は、玉川派に伝わる「天保水滸伝」より「鹿島の棒祭り」。汗びっしょりかいて舞台を降りて来ると、ようやく桃太郎師匠が楽屋に入ってこられた。
「師匠、お先に勉強させていただきました」
「……おめえの『棒祭り』を聞いてっと、福太郎を思い出すなあ」
――不意打ちの一言。私の師匠、玉川福太郎は、八年前に不慮の事故で突然亡くなった。芸盛りの六十一歳、師匠を失うことは、この世界で生きる希望を失う出来事だった。支えを失いながら修業する私に、大伯父師匠からの言葉は、涙腺を決壊させるに十分だった。
さあ、桃太郎師匠の舞台だ。祐子師匠の裂ぱくの掛け声。夫の背中を、三味線が精一杯の気合で押している。
 演題は「小金井桜」、幕末の侠客の物語だ。桃太郎師匠の口癖は「自分の節は自分でつくるもんだ」。外題づけの声は、到底九十歳を超えているとは思えない。粋で男らしい節にのって、小金井小次郎の姿が見えて来る。
私が入門した頃の桃太郎師匠は瞬間湯沸かし器だった。舞台を降りてくるなり、妻に食って掛かる。
「クソツボに入りやがって!」(奈々福注:三味線の糸を、正しくない箇所で押えてしまうことの、テクニカルタームでございます)
 桃太郎師匠は真っ赤になって怒る、祐子師匠は涙ぐむ、おろおろしている前座っ子をよそに、先輩方は涼しい顔……お二人の喧嘩、毎度のことだったんですね。
 あれから二十年。夫婦喧嘩はめっきり減ったが、桃太郎師匠の姿には今も「侠気(おとこぎ)」が漂う。
 玉川の家の芸は「天保水滸伝」などの侠客伝が多いが、そこに流れる義理や人情といった価値観を、重んじておられるように思える。
「それじゃあ義理が立たねえ」
「お天道さまは見てござるだ」
 経済至上主義、効率主義の現代に生きる私たちがすっかり失ってしまった価値観が、桃太郎師匠の中に生きているのを感じる。
 ここでお二人の経歴を振り返る。
 玉川桃太郎。本名中村勝司。大正十二年十二月、栃木県宇都宮市生まれ。小さい頃に養子に出され、実の親の顔を知らずに育った。
小学校卒業後、青果店に勤めていた養父とともに働き、街で耳にする浪曲の声節に魅せられ、病みつきになる。小遣いをためてレコードを買い、覚えて唸ってみる。休みの日には店の仲間を集めて一席演じて人気者となる。
 そうなるとレコードでは我慢できず、劇場に浪曲が掛かると、やりくりをつけて聴きに行った。当時は浪曲全盛時代。数々の浪曲を聞きおぼえては、練習したという。
 遂には商売物を売るときにも、浪曲入りの口上をつけるのでお客が大喜び、「浪曲八百屋の勝ちゃん」は街中の評判になった。
 十七歳の春に、店から暇をもらって上京。二代目玉川勝太郎に入門し「桃太郎」。その年の秋に初舞台。ところがおりしも大平洋戦争が勃発、昭和十九年入営、二十一年まで北支に。帰国後、兄弟子らに負けぬよう頑張った。
「その頃の玉川派はすごくてねえ。太郎、次郎、勝正、桃太郎が、四天王って言われたんだよ」と祐子師匠。
その甲斐あって昭和四十五年、浅草国際劇場の大会に初出場。浪界に地盤を確立した。
かたや祐子師匠。本名、中村りよ。大正十一年十月、茨城県笠間の生まれ。農業に従事していた家は貧しかった。
「うちは貧乏で、どん底の生活してたんだよ」
小学校を出ると近くの呉服屋に奉公に出た。子守りをしながら聴いた浪花節のレコードに魅せられトリコになったが、近くに浪曲の一座が来ても、奉公の身で入場できず、楽屋口から漏れてくる節を聴いて心を慰めた。将来は女流浪曲家になって親孝行をしたいと、奉公を終えた十八歳のときに上京。当時大看板の広沢虎造に弟子入りを志願したが、弟子の多い虎造に入門はかなわず、少女横綱と言われていた、三つ年下の鈴木照子に入門。
 翌年「鈴木照千代」の名で初舞台。修業に励んだが、思うように声が出なかった。
「一年くらい経ったときに、師匠のお母さんに呼ばれてね。『おまえの声じゃお金にならないよ、家に帰るか?』って言われたときは辛かった。でも帰るわけにいかないでしょ」
三味線の師匠に手ほどきを受け、曲師の道を歩きはじめた。他の弟子よりうんと苦労したと祐子師匠はいう。
「あたしはね、この人とは、二度目なの」
 そう、桃太郎師匠とは、二度目の結婚。五十歳での大恋愛だったという。
「二十歳くらいのときから知ってたけど、昭和四十五年にこの木馬亭で浪曲が始まったときにばったり再会して、弾いたの。それまで一流の曲師に弾いてもらってた人だから、私の三味線じゃあ、どんなにか歯がゆかっただろうけれど、そのときに『いずれは姉さんに三味線弾いてもらうようになるんだよ』って、ぽろっと言ったんだよ。縁があったんだねえ」
――桃太郎師匠、それ覚えてますか?
「……ふふん」
――秘かにこの人とって、思ったんですか?
「へっへっへ。まあな」
 その一言から二年後の、昭和四十七年に、再婚。以来、二人三脚の浪曲の道。
「あたしはね、この人に拾われたの。玉川の一門に入って、玉川祐子って名乗って、なんて幸せなんだろうと思ったの。玉川は名門だからね。感謝してます。この人はあたしにとって、宝だよ。私を選んでくれたんだからね」
 この言葉に嘘はない。数年前、NHKのラジオ収録の帰り道、電車内で、祐子師匠が急に具合悪くなってしまったことがあったそうだ。ここからはその場に居合わせた、私の弟弟子・玉川太福の報告。
「お客さんにお願いして座席をあけてもらい、横になってもらったのですが、『ああ、このまま死んじゃうのは残念だなあ、お父さん残して死んじゃうのは、申し訳ない。私が死んだら、お父さんが心配だなぁ……』と、意識もしっかりしない中、か細い声で、ずっと桃太郎師匠のことを心配されているんです」
 家に着くころにはけろっと治ってしまったということだが、祐子師匠の愛情の深さとお人柄を実感する出来事だったという。
――一緒に舞台に立つのは幸せですか?
「そりゃ最高ですよ。何が幸せだって、二人でいまも舞台に立てる事」
「うん、おんなしだ」
――桃太郎師匠の芸でどこがお好きですか。
「やっぱり節だねえ。なんともいえない、人にない味があるから。小金井小次郎の『縞の合羽に三度笠〜』なんてとこ、いいよお」
――長生きの秘訣はなんですか。
「あまりくよくよしないことだねえ。辛いこと悲しいことはなるべく忘れて、物事をいいほうに解釈すること。あと、感謝の気持ちを忘れない」
――桃太郎師匠は如何ですか?
「……さだめられた運命じゃあねえか」
おお……イマドキ、桃太郎師匠じゃなきゃ言えない言葉だ!
「私は、この人と一緒になって幸せだった。だから、一日でも一時間でも、この人のあとに死ななくちゃね。いまんとこは、おかげさまで幸せ。元気だから。三味線でいろんな歌謡曲を弾けるように勉強して、お客さんの役に立てれば幸せだなあ」とけらけら笑う祐子師匠。不覚にも涙がこぼれそうになった。

posted by ななふく at 00:07| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月01日

11月の予定(随時更新)

【31日〜3日 山口・広島・熊本ツアー】
広島熊本再び。山口にも。今回は語りではなく、純粋浪曲公演です。うれしーー!

31日(土)玉川奈々福を聴く会@山口県労働者福祉文化中央会館(労福協会館)4階ホール【住所/山口市緑町3-29】15:30〜
出演:玉川奈々福(曲師:沢村豊子)2席
木戸銭:予約2500円 当日3000円  
予約:山口で寄席を開く会(大宮)電 話/090-7544-2526
メール/ yamaguchiyose@gmail.com

1日(日)「ほとばしる浪曲!玉川奈々福たっぷりの会」@カフェ・テアトロ・アビエルト14:00〜
出演:玉川奈々福(曲師:沢村豊子)2席たっぷり。
場所:カフェ・テアトロ・アビエルト(広島市安佐南区八木※JR可部線「上八木」駅下車すぐ)
木戸銭:3000円(全席自由)
予約&問い合わせ:
「広島で生の落語を聴く会」
namarakugo@ae.auone-net.jp
☎︎090-9570-4579

2日(月・祝)「玉川奈々福浪曲公演」@浄蓮寺本堂(東広島市河内町小田)18:00〜
出演:玉川奈々福(曲師:沢村豊子)2席
木戸銭:予約1000円 当日1500円
080-1926-2826武久

3日(火・祝)寺子屋「語りの秋」@熊本県益城郡阿弥陀寺14:00〜
講師:安田登師(東京・能楽師)。玉川奈々福師(東京・浪曲師)。沢村豊子師(東京・曲師)。終演後、本堂にて懇親会。寺子屋参加費はお賽銭。懇親会参加費1人1000円。
演目は当日のお楽しみ。お問い合わせは、お寺まで。096-289-0424


5日(木)浪曲定席木馬亭@木馬亭12:15〜
出演:富士綾那・東家孝太郎・玉川奈々福・大利根勝子・澤惠子・神田すみれ(講談)・三門柳・東家浦太郎(出演順) 2000円

5日(木)栃木県小山市中華料理龍鳳にて浪曲会

6日(金)浪曲定席木馬亭@木馬亭12:15〜
出演:港家小そめ・玉川太福・鳳舞衣子・港家小柳・花渡家ちとせ・田辺鶴遊(講談)・玉川奈々福・富士路子(出演順) 2000円

6日(金)落語のチカラ浪曲のチカラ3@亀戸駅前カメリアホール19:00〜
出演:柳家三三(「死神」ほか1席) 玉川奈々福(「悲願千人斬の女」ほか1席 曲師:沢村豊子)
木戸銭:前売り3500円 当日3800円
予約問合せ:道楽亭 03-6457-8366 info@ryus-dourakutei.com
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7日(土)なんか、文京区界隈でお仕事あるらしいです。

9日(月)浪曲日本橋亭「浪曲名作劇場」@お江戸日本橋亭13:00〜
「深川裸祭り」港家小ゆき 「石松金毘羅代参」玉川奈々福
「江戸城綺談千姫さま」富士鷹雄 「紺屋高尾」三門柳
予約1,500 円 当日2,000 円
予約/問い合わせ 一般社団法人日本浪曲協会 03-3844-1611
お江戸日本橋亭 03-3245-1278

9日(月)伝統芸能パースペクティブ「庭を読む<六義園>」
詳細はこちらに。

13日(金)イナンナの冥界下り@セルリアンタワー能楽堂
★この公演はすでに満席でご予約を締め切っております。
第一部 14:30開演
第二部 19:00開演
世界最古の神話を、世界最古の演劇形式である能楽を軸に、その他伝統芸能とともに、世界最古の言語と日本語を用いて、上演する企画。詳細は以下をご覧ください。
http://inanna.blog.jp/archives/1035497094.html

14日(土)玉川奈々福・沢村豊子たっぷり浪曲とおしゃべりの会特別篇@道楽亭15:00〜
出演:玉川奈々福 沢村豊子 港家小ゆき
奈々福が小ゆきを弾き、豊子が奈々福を弾き、奈々福と豊子が三味線弾き、たーっぷりおしゃべりする。道楽亭浪曲ウィークの最終公演
木戸銭2500円(別途3000円で打ち上げあり。希望者のみ)
予約問合せ:道楽亭 03-6457-8366 info@ryus-dourakutei.com
道楽亭浪曲ウィーク.jpg

15日(日)渋谷らくご@ユーロスペース17:00〜
詳細未定

24日(火)毎週通うは浪曲火曜亭!@日本浪曲協会広間19:00〜
出演:玉川奈々福 富士実子(曲師:沢村豊子)
1500円(お茶+お茶菓子つき)

26日(木)写真家橘蓮二セレクション「焦点」第二回@北沢タウンホール
春風亭一之輔 / 立川吉笑 / 玉川奈々福(曲師:沢村豊子)
チケット前売3,500円 当日3,800円 北沢タウンホール 03-5478-8006

30日(月)奈々福の“ガチンコ”浪曲講座第四回@カメリアプラザ和室19:00〜
満員御礼
posted by ななふく at 23:08| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月29日

9月が無事乗り切れそうです、ほ……。

旅から帰って来ました。
前半四日間の安田一座興行。
熊本→北九州→広島→神戸。
お能の安田登先生、人形師の百鬼ゆめひなさん、そして熊本ではヴァイオリンの山本紗由さんとご一緒し、スリリングなコラボレーションをさせていただきました。
演目は、小泉八雲の「雪女」「持田の百姓」、漱石の「夢十夜」より「第一夜」「第三夜」、「吾輩は猫である」より「餅の段」「鼠の段」……以上の中からの組み合わせ。
人の息を盗む。
感情に添う音を出す。
……すべてアドリブである浪曲三味線の実力がいかんなく発揮される(笑)コラボでありました。
語り公演は、浪曲の啖呵と違って、端整にしゃべります。これもまた勉強になります。
広島語り公演.jpg広島楽屋2.jpg

後半は大阪。昼は天満天神繁昌亭昼席。相棒は、豊子師匠の弟子、沢村さくらさんです。
「笑い」が価値基準の大阪の、落語定席に、東京の浪曲で入る、その試練!!!
演題は、さんざん迷って、「浪曲シンデレラ」を上下に分けて、15分ずつ。
まくらも、たっぷり振りました。
そこで戦えたこと、お客様が受け入れてくださったことに、心底ほっとする思いでした。
20150925.jpg
初日夜は、九雀師匠との会@八聖亭。
驚いたことに九雀師匠は、浪曲の紹介になるような新作を、落語作家の小佐田定雄先生に発注し、それを覚え、浪曲の節真似まで入れて、演じてくださったのです!
こんな迎えてくださり方があるなんて……もう、大感激で、平身低頭でした。
お客様もあたたかく、「お民の度胸」「仙台の鬼夫婦」と2席。
九雀師匠の「帯久」に圧倒されました。

二日目は、さくらさんが「曲師の会」を催してくれました@オーバルギャラリー。
前半の語り仕事で、三味線を持参しておりましたので、実現した会。
浪曲の三味線にスポットを当てた会というのは珍しいと思います。
二丁ならんで弾いたときの、手や音色の違いなども、感じられたことと思います(なんちゃって曲師、圧倒的不利)。
マニアックでしたけれど面白い会だったと思います。
客席におられた京山小圓嬢師匠が、未熟者二人が関東節だの関西節だのやってるのをご覧になり、
「やらま、しゃあないなあ!」と、飛び入り参加、私の50センチの距離で、壺阪の言葉セメから早節までをやってくださったのには、私自身が大感激して、涙腺が決壊しそうになりました。
曲師の会.jpg曲師の会2.jpg

三日目の夜は、初めてお目にかかった桂かい枝師匠との会@あべのハルカススペースナイン。
武春師匠に雰囲気が似ておられるかい枝師匠、すごい腕力の噺家さんでいらっしゃいました。
旅も七日目でへろへろだったのですが、こちらも頑張ろうと「曲垣と度々平」「浪花節更紗」の2席。
いいお客様で、出ないはずの声ものび、気持ちよくやらせていただきました。
かい枝師匠ともども、熱演3時間……やりすぎですね。

そして最終日、昼席で「シンデレラ」下を語り終え、記念撮影をし、さくらちゃんと一杯やって、帰京しました。
20150927-2.jpg
今回の大阪公演は、小佐田定雄先生の全面的なご支援のたまもの。
場をつくっていただきました。
心からお礼申し上げます。
この大阪公演のことは、きっと生涯忘れません。
ものすごく疲れたけれど、楽しかった!!!
ああ、乗り切れるか心配だった9月が、もうすぐ終わります。

【書き忘れ情報】
現在書店に出ている「東京人」10月号は「すてきなアラハン around100歳」特集。
芸界現役最長老コンビ、玉川桃太郎師匠(91歳)と、玉川祐子師匠(92歳)ご夫妻を取材して記事を書かせていただきました!
それから、いま発行中の老舗タウン誌「銀座百点」で、嵐山光三郎さんと対談させていただきました。
銀座の名店でご入手ください。



posted by ななふく at 02:18| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする