おそばやさんの二階の浪曲会。
みね子師匠の糸で一席。
きものの決まりごとでは、5月までが袷、六月から単ですが、うちの師匠は汗っかきで、5月になると早々に単を着てしまっていました。
それに習えで、私も五月になると、単にしてしまいます。
みね子師匠も、単に初使いの白いきれいな夏帯。
夏帯をしても全然問題ないほどの、さわやかな夜でした。
お客さんが近くてあたたかくて、いい会です。お一人お一人のお顔がよくみえます。
「茶碗屋敷」は、演題を「好き」と言ってくださるお客さんが多いです。落語の「井戸の茶碗」が知られているせいもあるかもしれません。
もとは講談の「細川茶碗屋敷の由来」。
浪曲と落語を聴き比べると、聞かせどころが全然違うから面白い。
これが、それぞれの芸の質の違いと思います。
昨日は、葛飾区「郷土と天文の博物館」での「かつしか下町寄席」。落語の、瀧川鯉八さん、立川吉幸さんに挟まっての一席。
呼んでいただくのは三度目なのですが、古典をようく聴いてくださる、こちらもあたたかいお客様。
堅い演題でもゼッタイ大丈夫だろうと、これまた講談ネタの「慶安太平記 牧野弥右衛門」を、豊子師匠の糸で。
「アンタ、今日は出高座かい?」
「もちろんですよ、お師匠さん」
「あらっ。それじゃあ、化粧しなくちゃいけないね。口紅忘れちゃったよ。アンタの貸しとくれ」
と言って、私の舞台用のあか〜い口紅をつけてお澄ましの豊子師匠。季節の藤色の着物に藤の花の帯が、とっても粋でした。

