奈々福は5月から、浪曲の「ライブ配信」を始めました。
我ながら、自分のこの変化にはびっくりしております。
当初は、「声」の芸である浪曲のその声が、ネットのライブ配信でお客様にどれだけ届くのか、
正直、まったく気乗りしませんでした。
ヤダ、と思ってた。
だって、浪曲のイノチである声の「圧」が、電脳空間じゃ伝わらないんだもん。
でも、声の芸であると同時に浪曲は、物語を楽しんでもらうものでもある。
思いもよらぬコロナウイルスの流行で、かほど世界が閉じられてしまっている中、
外に出られない皆さまに、物語に心浸して遊んでもらう、というのもアリなのではないか、
と思いはじめました。
そんな折しも、
「奈々福さん、今まで撮った舞台口演の中からいいのをDVDにしたらどう?」
もう五年以上私の記録を撮ってくれている田島空さんから連絡をもらいました。
そして、ほぼ同時に、長年お付き合いのある、和のイベントを主宰するタケノワ座のTAKEさんから、
「奈々福さん、なんか手伝えることがある?」
とご連絡があり。
それを見計らったかのように、いとうせいこうさんから、ご自身の発案で始まった様々なクリエータが各自、ネット上で得意な形で自主ライブを発信する「Music Don‘t Lockdown(MDL)」の配信フェスに参加してみないかとお誘いをいただき。
これに、直感的に
「参加します!」
と言ってしまったことで、田島さんとTAKEさんを巻き込んで、初のライブ配信のプロジェクトが急遽、始動し始めました。
そして、5月後半の半月間で、いきなり三回の自主ライブ配信に挑戦しました。
初回よりハプニングの連続でしたが、スタッフ一同の大車輪で、無事乗り切ることができました。
そんなドタバタぶりをご覧いただきましたお客様、そして、投げ銭で応援くださったお客様、心よりお礼申し上げます。
未見の方、ぜひチャンネル登録をいただきたいのです。youtubeの「奈々福チャンネル」こちらです。
https://www.youtube.com/channel/UC0NnqeAAsGgwd9Qp6lKnIzw?view_as=subscriber
5月に配信したライブストリームを2本、それ以外にもちょこちょこしたものをアップしております。
「寛永三馬術 大井川乗り切り」
「茶碗屋敷」
配信は、なんと! 海外でも見てもらえました。
イタリア、スロベニア、ハンガリー、ポーランド、キルギス、アメリカ、中国でご覧いただいたみたいです。
そしてご遠方の方々から、ご連絡をいただいたりしました。
それから。
とある、ご贔屓さまからはお手紙をいただきました。
「ここのところ足が弱くなり、奈々福さんの舞台に行けなくなってしまったら、家で奈々福さんを見ることができて、とっても嬉しかった!」
このお手紙が決定打でした。
「配信、とりあえず、一年、続けよう」
ネットのライブ配信では、今まで届かなかった遠方の方々に届けることができる!
また、さまざまなご事情で、家や施設、病院を出られない方々にも届けることができる!
打ち合わせの中でTAKEさんが「弱い立場の人たちに、届けられるかもしれないのはいいよね!」と言ってくれました。
それこそ、浪花節のすべきこと。
「実演」にプラスして、「配信」、していかなければならないでしょう!
まずは一年。月に1回、余裕があったら2回程度、自主配信をしていこうと思います。
また、ライブ配信とは別に、字幕をつけた海外向けの配信動画も制作しようと思っています。
ぜんぶ、無料配信にします。
ふらりと立ち寄ってくださった、初めての方にも見ていただけるように。
病院や、施設、学校でも見ていただけるように。
どうか、学校、病院、高齢者施設の関係者の方々がいらしたら、
この件をご紹介いただき、一人でも多くの方に見ていただけるようにオススメいただければと思います。
ええと、無料配信です。
ただ、配信には経費がかかります。技術スタッフをお願いし、私以外の出演者にはギャランティをお支払します。
毎回、投げ銭できるような仕組みにいたしますので、
どうかお志を頂戴いたしたく存じます。
次回からは、若手浪曲師を一人ずつゲストに招き、一席ずつの二席でお送りしたいと思っております。
次回配信は、11日19時から。ゲストは、男前倍音野郎の東家孝太郎さん。
youtube 奈々福チャンネルにて。