https://lp.p.pia.jp/shared/cnt-s/cnt-s-11-03_3_00f9f97b-3d35-4d98-9159-cf06c7119c08.html
WEB版論座で「ななふく浪曲旅日記」を連載して、
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2019060400010.html
いずれもエッセイなので、ブログは予定ばかりの更新になってしまってます。
しばし夏休みモードなので、久しぶりに「思い」を書きます。
今日から6日間舞台がない。声帯を休めることができます。いろいろたまってたこと整理できるし、カラダのメンテナンスとか、見たかったお芝居とか。
でも、基本的には、お稽古。とくにいまは、8月25日(日)の浪曲広小路亭、木村勝千代さんとの二人会「二人で読む『河内山』」のための二作品と、9月14日(土)に亀戸駅前カメリアホールでの「奈々福なないろvol.2 銭形平次捕物控 雪の精」この長編浪曲のことで、頭がいっぱいになっています。
「河内山」とは、「天保六歌撰」という長いお話の主人公。天保時代の悪党六人を、平安時代の歌人たち「六歌仙」になぞらえてつけたタイトル。
もともと講談で、松林伯円という講談中興の祖と言われる先生の作品です。
河竹黙阿弥が歌舞伎のために書いて「天衣紛上野初花」。
浪曲では、大正時代の四天王の一人に数えられた、初代木村重友が十八番としていて、その弟子の友衛、国友忠など、木村派のお家芸となった演題です。
うちの師匠が、国友先生から習って「河内山と直侍」の一席を持っていました。ただ、悪党の腹の探り合い、ちょっと汚い表現も出てくるので「女には向かない」とうちの師匠はきっぱり言っておりました。
でも、かっこいいんだ、河内山!
それに、「向かない」のを、いままでけっこういろいろやってきちゃってるんで。
やっちゃおうと思ったのが二年前。でもネタおろししてこのかた、ほとんどやってない。
勝千代さんのご提案で、いわゆる車読みをすることにしました。
なんと、講談本がkindleで読める。
冒頭 奈々福勝千代のトーク
奈々福「上州屋玄関先」(曲師:豊子)
勝千代「松江侯玄関先」(曲師:美舟)
〜仲入り〜
奈々福「河内山と直侍」(曲師:豊子)
勝千代「三千歳廓抜け」(曲師:美舟)
という内容でお送りします。
木戸銭:予約1500円 当日2000円
上野広小路亭:03-3833-1789 日本浪曲協会:03-3844-1611

そして、それが終われば、いろいろあるけど、メインは「銭形平次雪の精」のお稽古だ。長編浪曲です。通し公演、たぶん六回目かと。
国友忠先生が浪曲化された大財産。
豊子師匠と奈々福にとって、ひとしお思い入れの強い作品です。
50分×2席という長編で、体力気力が要るので、いつも「もう、これが最後」という気持ちでやっていますが、やっぱりもう一度……と思って、今回も。
たしか二回目をカメリアホールでやりました。舞台監督さんが、以来、「奈々福さん、あれ、もう一度やろうと!」と言い続けてくださっていた。
音響照明の効果をつかえるカメリアで、私も再演してみたいと思いました。
大河ドラマです。闇を、寒さを、悲しみを、ひとの怖さを、そして情けを……感じてもらえるようにできるかな。
ネタに没入できる時間があることが、幸せです。
江戸っ子の粋を集めたような、惡の華、河内山。
人の悲しみ苦しみ怖さ優しさを、雪の夜にちりばめたような、雪の精。
いずれも、ぜひ聞いていただきたいのです。
ご来場心よりおまちしております。
9月14日(土)奈々福なないろvol.2「銭形平次捕物控 雪の精 長編浪曲一挙口演の会」@亀戸駅前カメリアホール14:00〜
出演:玉川奈々福(曲師:沢村豊子)
入場料:全席指定 前売3000円 当日3500円
カメリアホール 03-5626-2121 インターネット予約あり

