プロフィール
this is the NANAFUKU
名前:玉川奈々福(たまがわ・ななふく)
誕生日:三波春夫先生と同じ7月19日
性別:女性
職業:浪曲師・曲師(浪曲三味線弾きのこと)
一言:1994(平成6)年10月、日本浪曲協会主宰三味線教室に参加。1995(平成7)年7月7日玉川福太郎に入門。師の勧めにより2001(平成13)年より浪曲師としても活動。2004(平成16)年「玉川福太郎の徹底天保水滸伝」全5回、2005(平成17)年「玉川福太郎の浪曲英雄列伝」全5回プロデュース。2006(平成18)年本橋成一監督作品『ナミイと唄えば』出演。同年12月、芸名を美穂子から奈々福に改め名披露目。さまざまな浪曲イベントをプロデュースする他、自作の新作浪曲も手掛け、他ジャンルの芸能・音楽との交流も多岐にわたって行う。かに座のO型。賞罰、なし。
MIDO9459.JPGAAJJ0027.JPGAAJJ9949.JPG撮影森幸一c_0056.JPG撮影森幸一(舞台写真)・御堂義乘(ブロマイド)

NEWS!奈々福のCD発売中! 
「ほとばしる浪花節! 玉川奈々福の寛永三馬術 曲垣と度々平/大井川乗り切り」
(発売元:有限会社武春堂 販売元:バウンディ)XQBT-1155 定価2500円。
取り扱い店:山野楽器(銀座) ミュージックテイト(新宿) ヨーロー堂(浅草) イサミ堂(浅草)
アマゾンほかのネットショップでも購入可能。
奈々福後援会でも取り扱います(別途送料200円がかかります)。ご注文はtamamiho55@yahoo.co.jp へお願いします。
CDジャケット.jpgこおゆう感じです。

「和装人インタビュー第50 玉川奈々福」by辻屋本店

玉川奈々福への仕事のご依頼は、ななふく本舗へ 090-7001-6867 tamamiho55@yahoo.co.jp
◎ おもいっきり笑える浪曲が聴きたい!
◎ 甚五郎さんや、忠臣蔵や、次郎長や、昔ながらの浪曲が聴きたい!
◎ 子供に、読み聞かせをしてほしい。三味線の音色も聴かせてほしい。
◎ 浪曲漫才もありえるんですか?
◎ 結婚式や、〇回忌で、一代記をやってほしい。
……などなど、お気軽にご相談ください。

奈々福自主公演の予約お問合せも、ななふく本舗へ(090-7001-6867 
ななふくonついった
http://twitter.com/nanafuku55
奈々福on facebook
http://www.facebook.com/nanafuku.tamagawa

2018年05月21日

帰国後の予定

いよいよ海外公演が近づいてばたばたしております。
帰国後の、現在までに決まっている当座の予定をアップしておきます。
けっこうクローズの会とか、情報解禁になってない件が多く……。

7月12日 クローズの会(たぶん)@京都・清水寺

16日(月・祝) クローズの会@船の上

18日(水)クローズの会@初台のどこか

20日(金)学習院にて作家・姜信子さんの授業に参加

21日(土)玉川奈々福・木村勝千代二人会 〜東海道浪花節道中〜
曲師:沢村豊子 沢村美舟
演題:慶安太平記 善達箱根山 勝千代(美舟)
甚五郎旅日記 掛川宿 奈々福(豊子)
清水次郎長伝 お民の度胸 勝千代(美舟)
寛永三馬術 大井川乗り切り 奈々福(豊子)
奈々福勝千代表.jpg奈々福勝千代浦.jpg
2018年7月21日(土)13:00開場 13:30開演
会場:木馬亭(台東区浅草2-7-5)
木戸銭:全席自由 前売り3000円 当日3500円
予約問合せ:ななふく本舗 tamamiho55@yahoo.co.jp 090-7001-6867
奈々福勝千代表.jpg奈々福勝千代浦.jpg

23日(月)千葉県の高校初任の先生方へws

25日(水)品川区のライブハウスにて浪曲会(情報決定し次第、公開します)19時〜

27日(金)某公共放送の公開収録

29日(日)浅草の料亭にて浪曲会(昼間)

31日(火)奈々福のたっぷり土産話と浪曲の会@道楽亭19:00〜(曲師:沢村美舟)
出演:玉川奈々福(曲師:沢村美舟)2席+たっぷりお土産話
木戸銭2500円 別途打ち上げ3500円(希望者のみ)
予約問合せ:道楽亭 03-6457-8366

8月の木馬亭の予定は未定。
4日(土)「玉川奈々福のおはようライブ、ほとばしる浪花節!」@木馬亭10:30〜 
ネタおろし予定。木戸銭500円(朝一番の笑顔付!)

とりいそぎ!!!
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2018年05月15日

語り芸パースペクティブ、ダイジェスト動画公開!

昨年四月から今年二月にかけて開催しました、
「玉川奈々福がたずねる語り芸パースペクティブ〜この国の物語曼荼羅」全11回の内容を、
42分ほどの動画にまとめました(撮影・編集:田島空)。

本にならないんですか、動画公開しないんですかと、全回参加した方々からも、来られなかった方々からも、言われておりました。
42分、単純に割れば、各回4分もないくらいなんですけれど、さすがの田島空監督の編集により、
当日の雰囲気を、かなり感じていただけるものになっているかと思います。
ダイジェストですけど、出演の方々の気迫、お話の内容、十分スゴいです。

https://www.youtube.com/watch?v=GqeDkIMAaL0&feature=youtu.be
posted by ななふく at 21:12| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

平成30年度文化庁文化交流使にご指名いただきました。

このたび平成30年度「文化庁文化交流使」にご指名頂き、本日、指名書交付式でした。
20180515_174051.jpg
今月27日に出発し、イタリア、スロベニア、オーストリア、ハンガリー、ポーランド、キルギス、ウズベキスタンの各国にて、
浪曲公演してきます。7月10日帰国予定です。
交付式1.jpg交付式2.jpg(本日の任命書交付式。撮影:田島空)

ある日突然文化庁からメールが来たときには、こりゃ新手の詐欺かと思いました。
なぜ奈々福に!? その理由はいまだにわからない。
外国で浪曲を、という発想はまったくなかったので、いったいどこに行って何をすれば、ゼロからのスタートでした。

なにせ、行き先を自分の伝手で自分で決め、自分で交渉しなければならない。
結果、さまざまなご縁とお力添えをいただき、七か国になりましたが(この経緯もいろいろあった)、
受け入れ先の方々と、今に至るまで、どれだけのメールを交わしたかわかりません。

「語り芸パースペクティブ」事業をしながらだったから、そこそこキツかったです。

受け入れ先候補が決まったら、そこに対して自己紹介し、浪曲の説明をし、
あなたの国で浪曲をさせていただきたいのだ、ついてはお力添えを頂きたく、から始まり、
いつどこで、どういう内容で、舞台仕様はこうこうで、その他交通宿泊、翻訳通訳費用、
そしていま字幕のために台本を翻訳してもらってる。

主に、現地大学の日本語、日本文化研究の先生方にご縁ができたので、ほぼ日本語でやりとりができたのが、大変幸いでした。
『源氏物語』を原語で読めるレベルの研究者がいる大学……
そんじょそこらの日本人より日本語上手なんじゃないかというメールが返信されてくるんで驚愕の連続。

しかし、どこの国と、なんの交渉まで済んでいるのか、もう、わけわからなくなってます、なう。

中国と韓国で懲りたはずなのに、一部現地語でやると受けるもんだから、今回も、一部を現地語でやろうと、
音声ファイルを、いま三か国から入手済み。
イタリア語、スロベニア語の発音はできそうな気がするが、問題は、ドイツ語! 
このあと、ポーランド語、ロシア語、ハンガリー語も来る予定。どぅああ。

でも、浪曲をやるばかりではなく、現地の芸能をいっぱい見てこよう、また、可能なかぎり交流もしてこようと思います。
キルギスでは、世界最大の叙事詩マナスを語るマナスチの方々とのコラボ公演ができるかもしれない。

ウズベキスタンの会場は、国立音楽大学院なので、伝統楽器ドゥタールと、三味線の弾き比べもさせてくださいとお願いちう。
ついでに、伝統芸能を探しながら、ブルーに輝くモスクを見に、日帰りでサマルカンドへも行く予定。
嗚呼、憧れのサマルカンド!

イタリアは、須賀敦子さんの文章で憧れていたトリエステの、市立美術館で開催! 
スロベニアでは幼稚園や小学校でWSもさせてもらいます。各大学の先生や学生さんとの交流の時間もある。

曲師は、豊子師匠にお願いしたかったのですが、一か月半の外遊はお師匠さんにはご負担が大きすぎると、
美舟さんに同行してもらうことにしました。美舟ちゃん、この事業のなんたるかを、まったくわかっていません(わかろうとしていません)。
「おねえさーん、オペラが見たいですうう」とか言ってます。

一か月半、豊子師匠に淋しい思いをさせます。弾いてもらって十六年、そんなに離れたことない。それが一番切ない。

七か国共通で「仙台の鬼夫婦」をやるほか、2席ご所望の場所では「浪曲シンデレラ」。日本の伝統芸能や語り芸そして浪曲の説明もさせてもらいます。妻が夫を叩きのめす話、各国の反応の違いがたのしみ。儒教の国でも受けたから、たぶんだいじょぶだろう。

以下の予定です。もしもその時期、現地におられるようなことがありましたら、ぜひいらしてください。


五月二十七日 出発
五月二十九日 イタリア・ローマ公演@ローマ日本文化会館
六月二日   スロベニア・シュコフィアロカ公演@スコルスキドモ
六月五日   スロベニア・スロベングラッツ公演@文化ハウス
六月六日午前中  スロベニア・リュブリャナ公演@リュブリャナ大学
六月六日夕刻  スロベニア・リュブリャナ公演@市役所ホール
六月十一日  イタリア・ミラノ公演@エルフォ・プッチーニ劇場
六月十二日  イタリア・トリエステ公演@トリエステ市立美術館
六月十四日  オーストリア・ウィーン公演@ウィーン大学
六月二十日  ハンガリー・ブダペスト公演@エドヴェシュ・ティーズ
六月二十六日 ポーランド・クラクフ公演@日本美術技術博物館
六月二十九日 ポーランド・ワルシャワ公演@日本情報工科大学
七月三日   キルギス・ビシュケク公演@トゥングチ劇場
七月七日   ウズベキスタン・タシケント公演@国立音楽大学院
七月十日   帰国予定

45日間、13公演。その他WS、学生さんと交流会、大学での交流会など。

ローマではバレエを、ミラノと、ウィーンとブダペストではオペラを鑑賞予定。
初めて行くスロベニアは、この時期最高に美しいですよときいてるので楽しみ。

留守にするのは一か月半ばかしです、すぐです。:

7月、帰国後、21日(土)に、帰国祝い公演として、こんなことしますから、予約してね。

玉川奈々福・木村勝千代二人会 〜東海道浪花節道中〜
曲師:沢村豊子 沢村美舟
演題:慶安太平記 善達箱根山 勝千代(美舟)
甚五郎旅日記 掛川宿 奈々福(豊子)
清水次郎長伝 お民の度胸 勝千代(美舟)
寛永三馬術 大井川乗り切り 奈々福(豊子)
奈々福勝千代表.jpg奈々福勝千代浦.jpg
2018年7月21日(土)13:00開場 13:30開演
会場:木馬亭(台東区浅草2-7-5)
木戸銭:全席自由 前売り3000円 当日3500円
予約問合せ:ななふく本舗 tamamiho55@yahoo.co.jp 090-7001-6867

7月31日(火)19:00〜には、道楽亭にて、凱旋公演「たっぷりお土産話と浪曲の会」を、美舟ちゃんとします。こちらは道楽亭さんにお問い合わせくださーーーい!
posted by ななふく at 19:58| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月11日

語り芸パースペクティブ最終回「語り芸の来し方、これから」の会、ご挨拶。

ようこそご来場いただきました。
「玉川奈々福がたずねる語り芸パースペクティブ」いよいよ最終回です。
最終回のお題は「語り芸の来し方、これから」。なんという壮大な。
 日本の語り芸のいま現在における最新型は、ラップ、ではないかと思っています。
 ラップ、全然詳しくありません。ただ、「フリースタイルダンジョン」や「高校生ラップ選手権」などのテレビ番組を見ていると、まさに、いま生成している「語り」の、ものすごく生々しいものを浴びて動悸します。
 社会の、低きところから声を上げ、言葉を音楽的に扱い、即興性が強く、腹の底から突き上げるごとき表現。言葉と音楽と情念の、瞬間の融合の連続、のような気がします。
 その日本語ラップの地平を開かれたのが、いとうせいこうさんです。
 いとうさんは、私の兄弟子、でもあります。能楽師の安田登先生のもとで、ともに謡を習っております。月に二回、某お寺の本堂での、早朝稽古。現存する語り芸の中でもっとも古く、儀礼性と、中世以来の身体性を残し、此の世とあの世をつなぐ芸であるお能の、なにがしかを、体に取り入れたいと、眠い目こすりながら、通っています。
 学ぶほどに思うのは、お能、おそるべし、ということ。
今日はいとうさんに最新型の語りを、そしてこのシリーズ二度めのご登壇となる安田先生に、古い形の語りとして、能の一部を演じていただきます。
 そして、楽しみなのは、実は最後のお話です。
朝稽古は、二時間。そのうち一時間は、だいたい、雑談。これが、とんでもなく面白い。
 よく出る話題は、遠い芸能の始原の話。よく出てくるのは、「秦河勝」という人名です。
秦氏は渡来系氏族の長だった人で、聖徳太子に仕え、猿楽(能)の始祖と伝えられる人です。平安京を開いた桓武天皇が渡来系の天皇だったことは有名ですが、その京都に残る「太秦」という地名は、秦氏の住まいがあった地とされています。
そして朝の雑談は、いま大きく変わりつつある世の中、遠い未来のことも話題に出ます。言葉を超える言葉の世界を「親愛なる」という小説で書かれたいとうさんと、安田先生の会話は、今日明日のことできゅうきゅうとしている私の貧しい想像力を、はるか遠くにいざなってくれます。その「雑談」を、この語り芸パースペクティブの締めにしたいと思います。
窮屈なこの世で、はるか遠くへ、私たちを連れて行ってくれるもの、それこそが、芸!
みなさまも、わたくしも、これからも、はるか遠くへ飛べますように……。

2018年2月19日
玉川奈々福
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posted by ななふく at 00:29| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月24日

語り芸パースペクティブ第十回「江戸落語の会」ご挨拶

ようこそご来場くださいました。
「玉川奈々福がたずねる語り芸パースペクティブ〜この国の物語曼荼羅〜」第10回目……残すところあと1回。
あっという間です。

今回の企画で私は、上方落語とお江戸の落語を扱う回を分けました。
そして投げかけたテーマは、「江戸落語は『語り芸』か?」
……つまり、上方の落語と江戸の落語はベツモノであり、江戸の落語を『語り芸』の範疇に入れることに、疑問を持っている、
それを検証しようという意図があります。
となると、『語り』とはなんであるか、ということを、10回目にしてあらためて考える、ことにもなります。

講釈は読む、という。その理由は講談の回でよくわかりました。
浪曲は唸る。
義太夫は語る。
落語をする方々のことを「はなしか」と言います。話、噺、ハナシ……。

ハナシ、と、カタリは、どう違うのか?

いま、空前の落語ブームだそうです。
東西合わせて、落語家さんは900人を超えたという。
そのうち、東京を拠点とする方は640人以上。
江戸落語と言いつつ、東京出身であることはアドバンテージでもなんでもなくなり、さまざまな個性の落語が花盛りです。

でも本来、東京の落語は、ローカルなものなのではないか。
「江戸」的感覚を色濃く残した都会の、限られたコミュニティのなかでだけ共有される、特殊な感覚のものであり、
ナショナルなものでは、本来ないのではないか。
そしてそれが古典化し、ナショナルになろうとする過程で、ハナシ、から、カタリにどんどん近づいてきているのではないか。

という私の感覚的な疑問に、明確に答えてくださるのが、和田尚久さんです。

和田さんは、放送作家、文筆家。落語をはじめ、伝統芸能、お笑い、演劇にも大変お詳しく、
その見方が、いつも私とは全然違う視点、観点なので、驚かされることが多い方です。
今回、ご著書『落語の聴き方 楽しみ方』を参考テキストに挙げましたが、目からウロコの落語論です。
そして、落語がこういう芸であることに自覚的な演者はどなたですかと、和田さんに投げかけたところ、
まっさきに上げられたのが三遊亭萬橘師匠のお名前でした。

萬橘師匠とは、一週間前に、とある落語会でご一緒したばかり。
落語が、落語たる特徴を備えた魅力的な噺を演じられ、ああ、まさにこの回に来ていただくべき方だと思いました。
「奈々福のたずねる語り芸パースペクティブ」。
いままで、すばらしい「語り芸」を数々聞いてきていただきました。今日は、「語り」ではありません、たぶん。
今日が、今回の企画の、キモ、です。

2018年1月29日
玉川奈々福
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posted by ななふく at 19:55| 東京 🌁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

語り芸パースペクティブ第九回「浪曲の会」ご挨拶

ようこそご来場くださいました。「玉川奈々福がたずねる語り芸パースペクティブ〜この国の物語曼荼羅〜」第九回目、
年内最後の会は、浪曲でございます。

今回扱う「語り芸」の中で、もっとも新しい、
逆に言えば歴史の浅い、
そして全盛時は日本を覆うほどの勢い、
そこからの衰退の早さ激しさもとんでもないという、
ジェットコースターのような道を歩んできた、「語り芸」の中の鬼っ子です。

江戸時代までは大道芸であったちょぼくれ、ちょんがれ、阿呆陀羅経、でろれん祭文などの諸芸が集まって、
明治時代になって「浪花節」で鑑札を取得しました。
雨風にさらされる辻々で育ってきた芸だから、
道行く人たちを捕えんと、極端な声を出し、臆面もない感情表現をし、三味線という鳴り物も使いました。
社会の最底辺の者たちが担い、それゆえに最底辺の人たちの心に響いた、
もともとは多分に珍芸的要素もある芸だったのではないかと思います。

近代化を超特急で急いだ明治という時代とともに、ぐわんと成長し、
大正という時代に磨かれ花咲いた、その急成長のひずみも背負いこみ、
時代の空気を吸いこみ過ぎたゆえに、凋落も激しかった……ああ、自分の人生賭けてる芸のことだと、
ご挨拶などで言うべきではないことまで、筆が先走ってしまいます。

浪曲は、昭和十八年の時点で全国に3000人も実演者がいたそうです。
さまざまな興行の形があり、さまざまな浪曲がありました。
大看板の先生方による大劇場型の浪曲、
寄席の浪曲、
そしてもっぱら旅巡業の人たちの浪曲。
紅涙振り絞る浪曲もあれば、粋で笑いだくさんな浪曲もあった。
いくつものジャンルにわけられそうなくらいです。
本日ご出演いただく澤孝子師匠は、二代目広沢菊春門下でいらっしゃいます。
菊春先生は、大看板でしたが、落語の寄席に入り、座布団に坐ってサゲのある浪曲を演じてもおられました。
その薫陶を受けられ、また一本立ちしてからは看板として一座を組んで全国を巡業しておられました。
大劇場、寄席、旅、三つの要素を兼ね備えておられるのが澤師匠です。

そして曲師を務められる佐藤貴美江師匠は、奈々福と同期、浪曲三味線教室出身です。
浪曲の魅力は、譜面もないなかで、浪曲師と曲師がセッションすることの中にもあります。
だからこそ、一人前に舞台が弾けるまでが難しいんですが。

本日は、開口一番を短めに奈々福がつとめ(曲師は、名人・沢村豊子師匠)、
そして澤孝子師に、二代目広沢菊春ゆずりの「竹の水仙」を演じていただきます。
仲入り頂戴し、演芸作家であり、浪曲についての著作もある稲田和浩さんによる講義、最後が鼎談という流れです。

2017年12月18日
玉川奈々福
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posted by ななふく at 19:50| 東京 🌁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月23日

語り芸パースペクティブ第八回「上方落語の会」ご挨拶

ようこそご来場くださいました。
「玉川奈々福がたずねる語り芸パースペクティブ〜この国の物語曼荼羅〜」第八回目、上方落語の回でございます。

いよいよ、演芸の世界に入ってきました。
前回の能から時代はぐっと下って、江戸時代に生まれた芸になります。

なぜ、落語を二回にわけたのか。
私は研究家でもなんでもありませんけれど、感覚として江戸の落語と上方の落語はベツモノ、という気がしております。
それは、生まれ育った場所によるもの、という気がしております。

上方落語に、「ハメモノ」というお囃子が入ること。
そして、基本的な口調が、到底小さな寄席やお座敷内でやるようなものとは思えないこと。
旅の話が多いこと――大道芸から起こった芸の匂いがふんぷんといたします。
そして浪花節の身からすると、そのことに、とっても親しみが湧くのです。

小佐田定雄先生からメッセージが届きました。
「江戸時代の中ごろ、江戸、京、大坂の三都で埋まれた『落語』は、それぞれの町で、それぞれの型で進化をとげてきました。
本日は、京と大坂の上方を中心として発達し、滅亡の危機に瀕し、また復活してきた『上方落語』の特色についてご紹介いたします。
『上方落語』の特色である『旅ネタ』と『芝居噺』をお聞きいただき、下座囃子や見台と小拍子という上方独自の演出がなぜ発生したのかのお話も申し上げます。
桂九雀さんから、上方落語界の現状や修業の方法などについてもうかがえるかもしれません」

九雀師匠とのご縁は、実はもう長いです。
私が曲師だった頃、さる素人さん主催の寄席で、お囃子をご指導いただいて以来。
最近は大阪にうかがうたび会に呼んでいただきお世話になっていますが、
後進を育てようという師匠の強い思いには、いつも感動しております。
お弟子さん、そして若いお囃子さんを育てておられます。
今回は、九雀師匠夫人でもいらっしゃるお三味線の高橋まき師匠、桂吉弥師匠のお弟子さんの弥っこさん、九雀師匠のお弟子さんの九ノ一さんにもお出ましいただき、贅沢なはめもの入りでお送りいたします。

そして小佐田定雄先生。
えっと、実は、私がまだ編集者だった頃、小佐田先生を担当させて頂いておりました。
小佐田先生のご著書をはじめ、米朝師匠、枝雀師匠の本、数々の本をご一緒につくらせていただきました。
亡き枝雀師匠の座付作者。
サラリーマンをさらりとやめて、上方で、落語作家として単身自立という道なき道を開拓してこられたフロンティアでいらっしゃいます。
大尊敬。

2017年11月15日
玉川奈々福

桂九雀「七度狐」

小佐田定雄「解説」より

桂九雀「蛸芝居」

〜仲入り〜

鼎談
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posted by ななふく at 11:07| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

語り芸パースペクティブ第七回「能の会」ご挨拶

ようこそご来場くださいました。
「玉川奈々福がたずねる語り芸パースペクティブ〜この国の物語曼荼羅〜」、早くも中盤第七回目、能の回でございます。

このシリーズに「能」を入れたことに驚かれた方が多かったようです。

はたして、能は、語り芸であるのか。
能は、舞である、との言い方もあり、能は演劇であるという言い方もあり。

実は三年ほど前から、安田登先生に師事し、下掛宝生流(ワキ方)の謡を習っています。
能を習い、それにまつわる安田先生のお話をうかがっていると、芸能の始原の、想像も及ばない深淵のとばくちに立つ気がします。
能というと、観阿弥、世阿弥の名前がまっさきに挙がるかと思いますが、秦河勝(はたの・かわかつ)という、聖徳太子の側近であった渡来系の人物を皆さんはご存じでしょうか? 能の始祖、芸能の神とも言われ……ここから先のお話は、安田先生にお任せいたします。
能は、語り芸であるか。はい、そう言えると思います、が。

それを問うよりも、このシリーズにどうしても入れたかったのは、
能が、今現在続く伝統芸能の中で最も古いものの一つであり、
その起源と歴史、そして詞章の内容はどういうものであるのか、
語りがどういう質のものであるのか、
誰に向けられて語られるものであるのか、
それについてわずかなりとも学ぶことが、私がこのシリーズを企画した意図の核心につながると思ったからです。

安田登先生。親しく教えを乞うている能楽師の先生ですが、中国古代哲学、甲骨文字、金文、古典ギリシア語、シュメール語、アッカド語等の何千年前の言語や哲学から、最先端のAI、AR、VR、ゲームに至るまで、射程距離広すぎて深すぎて、正体不明の先生です。

槻宅聡先生。コラボ公演でお舞台をご一緒させていただいておりますが、その笛の音色、息で打つような音に、ひゅんと、異界へ連れて行かれる思いを何度もしました。

本日は、能「隅田川」の語りを実演していただき、そして、能のメソッドを用いて(何故か奈々福も三味線で参加して)夏目漱石を聞いていただきます。

2017年10月30日
玉川奈々福
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2018年04月22日

語り芸パースペクティブ第六回「女流義太夫の会」ご挨拶

ようこそご来場くださいました。
「玉川奈々福がたずねる語り芸パースペクティブ〜この国の物語曼荼羅〜」第六回目、女流義太夫の回でございます。

浪曲は、男性演者の多い芸能ではありましたが、古くから女流浪曲師がいました。
いま現在「浪曲」というひとつのジャンルに、男性も女性もいて、曲師(三味線)も男性女性ともどもいる状況です。

ところが、義太夫は男性と女性が分かれています。先月、第四回目に「義太夫節」を開催いたしましたが、お出ましいただきました豊竹呂勢太夫さんと鶴澤藤蔵さんは、人形浄瑠璃の文楽協会の会員さんで、文楽協会所属の演者さんたちは全員男性です。
それとは別に、義太夫には女流の伝統があります。

女流義太夫は江戸時代に生まれたそうです。明治時代、浪花節人気が沸騰する前。
つまり日露戦争が終わって桃中軒雲右衛門が登場する前、東京で大人気だったのが娘義太夫。
一時期の東京には、娘義太夫の演者が1000人以上もいたそうで、その演者を追いかけ、客席から「どうするどうする!」という声をかける「堂摺連」という、女義オタクたちが生まれ、それはそれはすさまじい人気だったとか。

本日は人間国宝であられる太夫・竹本駒之助師匠と、私にとって尊敬するお姉さまである三味線の鶴澤寛也さんをお招きし、
また解説には、義太夫節のときにもご登壇いただきました、早稲田大学教授の児玉竜一先生に再度お出ましをいただきます。
太夫一人と三味線一人。女性が演じる語り芸。女流浪曲師としては、もっとも興味津々な今回です。
もともと男性が演じる芸として骨格をつくられたものを、女性が演じるためには、越えなければならないハードルがいくつもあります。
また、義太夫の回のときに指摘された、義太夫節が上方言葉で語られることのハードル、もあります。
先月の義太夫節は、語り芸ここに極まれりと思うような、声、音の激しさ、臆面もないと思うほどの表現の直截さでありました。
これを女流で、どうやって身に背負いうるのか?……と考えながらも、結局、駒之助師匠の語りの深さに溺れてお終いな気もします。
駒之助師匠……この空間で拝聴できるなんて、実に、大変なことなんですよ! 耳をダンボにして拝聴してください。

2017年9月26日
玉川奈々福
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語り芸パースペクティブ第五回「講談の会」ご挨拶

ようこそご来場くださいました。
「玉川奈々福がたずねる語り芸パースペクティブ〜この国の物語曼荼羅〜」第五回目、講談の回でございます。
浪曲は、多くの演題を、講談からいただいております。前回、義太夫が、さいたる長編戯曲であると、児玉竜一先生がおっしゃいましたが、講談も、長編の物語の多い芸能です。
それを浪曲はいただきながら、多くの浪曲師(含:奈々福)は、いい場面だけやって、ダレ場はやらず……なんてこともありまして。

ところが浪曲はやはり芸質が違うのでしょう。三味線があり、節がある中で、力の入れどころ、味付けが違うんですよねえ、これが。
そういう、語り芸ごとの質の違い、に強く興味を持ちます。

というわけで、今日は講談。講談は「語り芸」ではありますが、「語る」とは言わないようで「読む」というようです。
そして、どうやら東西でいろいろ違うようです。

東から、以前よりさまざまに教えをいただいております神田愛山先生。
そして、西から、旭堂南海先生、超尊敬するお二人の先生にお出ましいただきました。

愛山先生は、私の師匠・二代目玉川福太郎亡き後、「天保水滸伝」の連続読みをされると聞き、勉強させていただきに通いました。
南海先生も、勉強させていただくために大阪にうかがいました。そのとき拝聴した「難波戦記」、真っ赤な甲冑を付けた真田幸村が騎馬で走って来るさまがまざまざ見えて、奈々福、ひっくり返りました。
そして六年前、私のプロデュースで、お二人の先生方のご出演で「悪党列伝」という企画をやらせていただきました。二日間、長講一席ずつ、翌日は前日の続きを読んでいただく。愛山先生が「徳川天一坊」より2席、南海先生が「浪花五人男」より2席。お二人の語りの怒涛のうねりに、二日間、ぶっ飛びました。本当に、すんごかった……。

説経祭文にもごぜ唄にも、義太夫にも、三味線という武器がありました。講談は……語りひとつです。その語りひとつのすごさを、どうぞご体験ください。
演目は、愛山先生が「徳川天一坊」より「網代問答」(これを「悪党列伝」でやっていただいたとき、演じ終わった先生が私をじろり睨んで「命を削ったぞ」と言われたことが忘れられません。これを演っていただけるなんて、もう、胸がいっぱいです)。南海先生が「浪花侠客伝」より「木津勘助」(これ、浪曲にもあります)です。

2017年8月25日
玉川奈々福
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